窮地のかっぱ寿司、100円回転寿司チェーンの過酷 首位のスシローと「100円皿」戦略にも違い

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値上げで「100円皿」が消えたスシローと、さらに投入したかっぱ寿司(撮影:今井康一<左>、共同通信<右>)

競合する「はま寿司」の内部情報を不正に持ち出したとして、「かっぱ寿司」の社長が逮捕された。回転寿司チェーン各社は現在原材料高騰などの影響でかつてなく熾烈な競争を繰り広げている。今回の事件で、かっぱ寿司が置かれた厳しい立ち位置がより浮き彫りになったように見える。

各社の現状を整理してみたい。

業界最大手の「スシロー」は10月から一皿の最低価格を110円から120円へと改定。業界2位の「くら寿司」は一皿の最低価格を110円から115円に引き上げ、220円皿は165円に値下げした。これで「税抜100円皿」が回転寿司2大チェーンから姿を消すことになった。

一方、業界3位の「はま寿司」は5月に高価格帯の一部商品を値上げしたものの、110円、160円皿の価格は据え置いている。業界4位のかっぱ寿司は上位3社とは違い、9月の価格改定で110円皿の30種類も追加している。各社の価格戦略にはかなり違いがあることがわかる。

回転寿司業界の厳しい競争環境

値上げの背景となっている原材料、物流コストなどの価格上昇はいまだ進行中だ。8月の消費者物価指数(総合)は対前年比+3%、これは30年ぶりの大幅な物価上昇にあたるという。インフレが止まらない欧米の金融政策はさらなる金利引き上げが予定されており、円安はさらに進むことが予想される。

回転寿司のコスト環境もすでに悪化しており、各社の収益も軒並み悪化傾向にある。基本的にはどこも値上げをしなければやっていけない状況だが、我慢比べになっているのは、回転寿司業界の競争環境を見ればよくわかる。

(出所)帝国データバンク「回転すし業界」動向調査 

帝国データバンクの調査によると、スシローやくら寿司など大手を中心とした回転寿司業界の市場規模は、2011年の4636億円から2021年には7400億円にまで拡大しており、コロナ禍による落込みを除けば着実に成長していることがわかる。

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