窮地のかっぱ寿司、100円回転寿司チェーンの過酷 首位のスシローと「100円皿」戦略にも違い

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ただ、大手の売上推移を見ると市場拡大とは言っても、上位3社が成長したのであって、それ以外の会社のシェアは縮小傾向にあるようだ。スシロー、くら寿司、はま寿司の3社が競り合うように売り上げを拡大する一方で、4位のかっぱ寿司は長期低落傾向が続く。回転寿司市場は上位3社が激しい競争をしながら成長することで、大きくなった業界なのである。

3社の売り上げ推移を見ると、スシローと、くら寿司が先行。後発ながらも外食業界トップ企業ゼンショー・グループの、はま寿司が追いかけるが、コロナ期に少し引き離されている様相だ。

上位2社が値上げを発表したこの時期こそ、はま寿司は最大手のグループインフラを総動員して価格の据え置きを続け、その差を縮めるという作戦をとっているようだ。特に、成長力のあるスシローが最近は不祥事続きで売り上げにブレーキがかかっている今こそ、攻めどきなのだろう。

かつての最大手ながら3社に抜かれ、引き離されつつあった、かっぱ寿司が100円皿を逆に増やして、価格訴求で集客に回復を狙うのも、理解できる話だ。ただコスト環境がインフレに転換した今後、デフレの産物でもある100円皿は徐々に姿を消していくはずだ。

値上げで回転寿司は消費者に見放される?

「100円皿がなくなる! 回転寿司業界はどうなる?」といった論調も一部で出ているが、回転寿司業界は今後も十分に成長余地がある。

確かに今の物価上昇が続けば、賃金上昇が進まない中、外食や衣料品への支出を減らすという消費者の節約行動が予想される。物価上昇が、コロナ禍のダメージから少しずつ回復へと向かっていた外食需要の腰を折る可能性は高い。

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