2011年まで、回転寿司業界のトップランナーはかっぱ寿司だった。しかし、同年、回転寿司売上日本一の座をスシローに奪われてしまう。当時、いわゆる100円寿司が台頭していた。
その中でかっぱ寿司は食材への投資を惜しみ、低価格にもかかわらず高いクオリティを誇る、100円寿司のメニュー提案に苦戦。その結果、スシローだけではなく、くら寿司、はま寿司にも抜かれてしまい、業界4位に転落してしまった。
一方で、その頃、回転寿司のファミレス化も進んでいた。その急先鋒がくら寿司だろう。例えば、くら寿司のメニューには寿司はもちろん、ラーメンやうどん、うな丼、そしてたくさんの種類のデザートが並ぶ。ドリンクのクオリティも回転寿司とは思えないほど高く、まさにファミリーで楽しめるつくりになっている。
この流れは他社も同様で、スシローなら「スシローカフェ部」を中心にスイーツに強く、はま寿司は「肉握り研究所」を設立して肉寿司に注力するなど、各社それぞれの特徴を明確に打ち出している。しかし、残念ながらかっぱ寿司には特徴らしい特徴がない。その原因が、2014年の転機と大きな関係を持つ。
コロワイド傘下での迷走
前述したように、2014年にかっぱ寿司はコロワイドの傘下に入っている。コロワイドの設立は1963年と、その歴史はかなり古い。しかし、業界内での存在感を高めたのは「甘太郎」という居酒屋チェーンをつくってからだ。
1990年代後半にはモンテローザ、ワタミ、コロワイドの、いわゆる居酒屋新御三家として台頭。その勢いを受けて、2010年代には積極的なM &Aを進め、「フレッシュネスバーガー」や「牛角」、そして「かっぱ寿司」を傘下に収めるまでに成長した。それを牽引してきたのが、現代会長を務める蔵人金男氏だ。
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