スシローも中国市場に上陸をし、高い人気を獲得しているが、なんと現地では一皿170円で売っている。それでも需要は高いのだから驚きだ。高く販売できると、その分、仕入れにもお金を掛けることができる。そうなると相対的に日本の購買力が下がり、今まで買えていた魚種もなかなか入手が難しくなると察しがつく。
その環境下で100円寿司を続けていくには、仕入れ力の強化や、一匹の魚を有効活用したメニュー提案が欠かせない。かっぱ寿司が超えなければいけない山は非常に高い。
人手不足が及ぼす弊害
また、外食業界の人材不足も無視できない。現在、回転寿司チェーンは新規出店を増やしており、さらに人材獲得競争が熾烈だ。その中でスシローの店長の平均年収は「あきんどスシロー新卒採用サイト」によると688万円もあり、業界水準と比較してかなり高い。
また、はま寿司を展開するゼンショーホールディングスの平均年収も600万円を超える水準にあるといわれている。さらに、くら寿司は1000万円で新卒を募集する取り組みを始めるなど、各社が優秀な人材の獲得に力を注ぐ。しかし、かっぱ寿司からはポジティブな数字が見えてこない。
一方で、コロナ禍になって以降、イートイン以外にも、テイクアウトやデリバリーへの対応など、店長をはじめとした店舗スタッフの業務が増えている。特に厄介なのがアニサキスへの対応だ。アニサキスが原因の食中毒は、年々増えており、2018年に468件起きた後、高止まりが続く。
現在、食中毒の原因のうちアニキサスが40%以上を占めている。厚生労働省の統計では、21年の食中毒病因物質別発生件数は1位がアニサキス、2位がカンピロバクター、3位がノロウイルスとなっており、ここ数年順位が入れ替わっていない。
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