(3)子どもは自分より立場が下と思っている
子どもが自分より立場が下なのは、当たり前だと思うかもしれません。子どもは親より年齢がかなり下ですし、社会経験も少ないので、そのように思うことも無理はありません。
しかし、驚くかもしれませんが、子どもは親のことを上の立場の人とは思っていない可能性があるのです。もし上の立場の人と思っていれば、江戸時代の武家のように、親に対して「タメ口」はききませんし、上からの命令であれば絶対命令として受け止めるはずです。反抗するなど、もってのほかです。
しかし、現代の家庭では異なります。子どもは親に丁寧語を使うことはなく、指示命令を受け取らないこともあり、反抗することすらあります。ということは、子どもは親を上の立場の人とは思っていない節があると考えてもいいでしょう。
親と子どもとの間の認識のギャップにより、衝突するといった問題が起こります。
知らず知らずのうちに上から目線
よくあるのは、親が子どもに言うことを聞かせようと、「指示、命令、脅迫、説得」のいずれかを試みます。しかし、子どもは親と対等な関係にあると思っているため、受け入れません。
さらに親は「指示、命令、脅迫、説得」の頻度を上げて対応しようとします。その課程で、ネガティブな対応を継続的に行うこともあり、そのようにされた子どもは、親への信頼感を失うとともに、自己肯定感も下がっていきます。
筆者が考えるに、大人と比べて子どもに足りないものは、「経験とボキャブラリー」くらいです。わからないことは教えてあげればいいだけです。
子どもを見下す発言をする人はさすがにいないと思いますが、知らず知らずのうちに上から目線となりがちです。そこに、子どもの心を理解する視点が抜け落ちてしまうことがあります。
(4)欠点の指摘を優先してしまう
長所と短所を併せ持つのが人間ですが、親が子どもを育てる中で、人によっては子どもの短所や欠点ばかりが気になる人もいるようです。前回の記事で書いたように「90点取った子に対して10点は何を間違えたの」と指摘することは欠点指摘を優先する典型例です。
至らない部分、欠点、短所を指摘され続けて育った子はどのような大人になっていくでしょうか?
自己肯定感が低い人になるか、大人になったときに周囲に対して欠点指摘ばかりする人になるかもしれません。いずれにしても、よい結果をもたらすとは思えません。
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