35歳過ぎて「全然学ばない人、独学する人」の大差 「独学で、人生が劇的に好転!」超納得の4大理由

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【4】「自分の考えは正しい」と無理やり意見を押し通す

最後の4つめは、「自分の考えは正しい」と無理やり意見を押し通すことです。

自分の「認識」がまわりと合わないとき、自分の多くの経験から「自分が絶対正しい」と無理やり意見を通そうとする人も数多くいらっしゃいます。

もちろん、自分の意見が正しいこともありますが、なかには自分の中で「認知の歪み」が起きていることも考えられます。

「認知の歪み」とは、自分の考えや仮説に合う「都合のいい情報」や「自分の思い込み」を正当化する情報を無意識に集め、記憶し、異なる情報は無意識に「排除」「軽視」をすることです。

この「認知の歪み」は、自身の「過去の経験」や「知識の蓄積」に固執し、「変化への対応」が苦手なミドルやシニアに、とくに起きやすいところがあります。

「認識」がまわりと合わないと感じたら、一度「自分の認識は現実からずれていないか」「特定の考え方に固執していないか」と自身を客観視して「認知の歪み」を確認し、「新たな学び」を身につけて修正していくことが必要です。

「学ぶ人」「学ばない人」では「人生の豊かさ」に大差

紹介してきた4つのポイントによって、ミドル、シニア層にとっての「独学(主体的に学ぶこと)」の重要性がおわかりいただけたかと思います。

それと同時に、「学ばないことの恐ろしさ」も、感じていただけたのではないでしょうか。

若い世代にとって最初の資本となるのは、「好奇心」「夢」「体力」でしょう。

それらの「資本」を活用して、主体的に学びながら、知恵を増やし、人々との関係性を広げていくことで、キャリアや人生を切り開いていくことができます。

対して、すでにキャリアや人生を切り開いてきたミドルやシニア層は、「独学」を通して「人生資本への再投資」をすることができます。

その結果、「豊富な引き出し」「自身の人生を肯定するさまざまな記憶」「多様な人たちとの関係性」などといったミドル、シニア層ならではの資産」を増やしていくことができれば、今後の人生は、ますます豊かなものになるでしょう。

「独学」こそが、ミドル以降の人生を大きく決める要になるのです。

高橋 俊介 慶應義塾大学 SFC研究所上席所員、キャリア論の第一人者

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たかはし しゅんすけ / Shunsuke Takahashi

1954年東京都生まれ。東京大学工学部航空工学科を卒業後、日本国有鉄道に入社。プリンストン大学工学部修士課程を修了し、マッキンゼー・アンド・カンパニ-東京事務所に入社。1993年に世界有数の人事組織コンサルティング会社である米国ワイアットカンパニーの日本法人ワイアット株式会社(現ウイリス・タワーズワトソン)の代表取締役社長に就任。社長退任後は、個人事務所ピープルファクターコンサルティングを通じ、コンサルティング活動や講演活動、人材育成支援等を行う。2022年4月より慶應義塾大学 SFC研究所上席所員。キャリア形成、人材マネジメント、リーダーシップ、働き方改革などに確かな知見を有し、本質を見抜く目に定評がある。

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