平気で「健康食品に頼る人」が知らない大事な真実 「トクホを選んでるから大丈夫」ではまったくない

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過剰摂取の心配もあるのが、サプリメントの落とし穴ともいえる。

「たくさん摂れば健康になれるかというと決してそうではありません。お米を食べすぎたらお腹が痛くなるのと同じで、健康食品やサプリメントもたくさん摂れば健康被害は出やすいものとお考えください。摂取目安量を守るようにしましょう」(千葉さん)

例えば、「レタス●個分の食物繊維」などのキャッチコピー。実際にはレタスを何個も食べられないが、小さい粒に凝縮しているサプリメントであれば容易に摂れてしまう。その結果、量が増えてしまいがちだ。

複数の種類のサプリメントを使用すれば、特定成分を必要以上に摂ってしまうおそれもある。よく利用されるビタミン系のサプリメントでも、摂りすぎることで過剰症を起こしてしまうことが知られている

また、製造工程において、品質が担保されているかもチェックしておきたい。

目印になるのは「GMPマーク」。GMPとは、Good Manufacturing Practiceの略で、原材料の受け入れから製造、出荷まですべての過程において製品が安全に作られ、一定の品質が保たれるかをみた製造工程管理基準のこと。機能性を期待するうえでも、安全性を担保するうえでも、製品の品質が約束されていることが絶対条件だ。

千葉さんが最も注意をよびかけるのが「海外からの個人輸入品」だ。

今年も、SNSによる個人販売を通じて販売されていたダイエットをうたう輸入製品(チョコレート、ゼリー)で、健康被害(食欲不振、倦怠感、息苦しさ、貧血など)が複数報告されている。「いずれにしろ、健康食品を摂取して何かしらの不調を感じたら、直ちに摂取をやめてください」と千葉さんは言う。

健康のためにはSNSより行政のHP

では、健康食品やサプリメントで不安に思ったら、どこに相談すればいいのだろうか。

「まず、病気の治療で医薬品を服用している人は、『健康食品と薬を一緒に飲んでいいか』をかかりつけの医師や薬剤師に聞きましょう」と千葉さん。

健康食品の情報提供のスペシャリストである「アドバイザリースタッフ」に相談するのも1つの方法。どこにいるのかなどの情報は「アドバイザリースタッフ研究会 」で検索可能だ。

ネットで検索する場合は、SNSやネットの口コミより公的機関の情報サイトを。正確かつ最新の情報を得ることができる。

(文/ライター・両角晴香)

山内 リカ 東洋経済オンライン 編集者
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