平気で「健康食品に頼る人」が知らない大事な真実 「トクホを選んでるから大丈夫」ではまったくない

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「血圧が高めの方に」「おなかの調子を良好に保つ」といった機能を表示するためには、同じ製品を用いた人での試験が必要で、品質確保のために製造工程についても審査が入る。安全性を確保するうえでも、機能性を期待するためにも、製品の品質は重要なポイントだが、そのぶん許可がおりるまでにコストや時間がかかる。制度が始まって20数年、現在の許可総数は1059件にとどまる(2022年9月16日現在)。

一方、栄養機能食品は、高齢者や、食生活の乱れなどでビタミンやミネラルが十分に摂れないなど、なんらかの不足した栄養を補うための食品のこと。20成分に限って国の基準を満たせば、栄養機能を表示できる。許可や届出は必要ない。「ビタミン野菜」(伊藤園)、「アルフェ」(大正製薬)などがある。

3つの中で最も新しいのが、2015年にスタートした機能性表示食品だ。これは何かの機能を期待して摂るもので、野菜やくだもの、肉や魚などの生鮮食品も対象となる。代表例は「iMUSE(プラズマ乳酸菌)」(キリン)、「えんきん」(ファンケル)、「やすらぐマスクメロン」(くだものの山長)などだ。

販売前に安全性や機能性の科学的根拠を消費者庁へ届け出て受理されれば、事業者の責任において機能性を表示することができる。消費者庁のウェブサイト「機能性表示食品の届出情報検索」 で、すべての機能性表示食品の資料を閲覧できる。

食べすぎの“免罪符”にはならない

繰り返しになるが、健康食品は、薬ではなく食品だ。病気を治すために利用するのではなく、健康を維持したり、より健康になったりするために利用するもの。そのためいくつか知っておきたいポイントがある。

例えば、血圧が高めの人が、トクホの血圧対策系商品を一定期間摂り続ければ、健康増進に役立つだろう。しかし、トクホを摂るのをやめれば血圧はもとに戻り、根本的な解決には結びつかない。

トクホの利用をきっかけに生活習慣を見直し、トクホなしで血圧が安定するよう努めることです。トクホだけで健康になろうというのは、誤った使い方です」(千葉さん)

トクホは一般の食品に比べると価格が高めだ。飲み続けることを思えば、塩分控えめの食生活と運動のみで血圧をコントロールするほうがお財布にもやさしい。

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