マンションだから安心とは言えぬ「水害」の怖さ 防災対策の見直し、管理組合の果たす役割とは?
下図は横浜市鶴見区の内水氾濫のハザードマップになる。これは1999年に関東地方で記録された1時間153㎜の降雨量が想定の条件だ。1時間に153㎜というのは、猛烈な雨の量だが、近年の豪雨災害の状況を見る限り、降る可能性がないとはいえない条件下が想定されている。
このハザードマップでは、1.0~2.0m、ちょうど1階の軒下程度の床下浸水にあたるピンク色のエリアから大人の腰あたりになる50㎝~1.0mのブルーの箇所、道路冠水の黄色のところまでさまざまな着色がなされている。このような地域では内水氾濫の際に浸水、下水があふれてくるというリスクを考えておかなければならないのだ。
洪水、内水氾濫の他、地域によっては高潮のハザードマップも存在する。自分たちのマンションがどのような水害対策を講じるべきかを考えるために、ハザードマップの必読をおすすめする。
どれだけの雨に耐えられる? 都市の排水の限界
ところで内水氾濫の際にふれたように、都市の排水機能には限りがある。どの程度の雨量で排水が限界に達し、あふれ出てきてしまうのだろうか。
東京都下水道局のホームページによれば、都では基本的に、1時間当たり50㎜の降雨に対応できるよう施設整備を進めているという。加えて大規模な地下街や一定規模以上の床上浸水が集中発生する地域に関しては、1時間当たり75㎜の降雨に対応するべく対策を講じているところだと記載されている。
つまり、1時間当たり50㎜以上の雨が続く場合は、内水氾濫が起きるリスクを念頭におき避難や浸水などへの対策を講じる必要があるということになる。
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