「信頼されないリーダー」に共通する超残念な行動 たった数秒で「リーダー失格」の烙印が押される

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なんでこんな目に遭わないといけないのか、と思うこともあります。しかし皆さんご存じの通り、そう嘆いたところで何も変わりません。

割り切るしかないのです。リーダーというポジションを担うのは「仕事の1つ」だと思いましょう。リーダーは、単なる「役割」なのです。

割り切れないリーダーは、自分がへこたれてしまいます。責任を背負い込みすぎて参ってしまうのです。

過去、一緒に仕事をしたすごいリーダーには、お客様に怒られた後に、「あんなに怒ったって何も変わらないのにね」「別に、怒られたからって死ぬわけじゃないからいいんだけど」「俺、怒られても何も感じないんだよねー」などといっている人たちがいました。

自身でストレスの消化方法を身につけていたのだと思います。

他にも、IBM時代の役員は「最近、お客様のところに行くのはトラブルで謝りに行く時ばっかりだよ。本当に怒られてばっかりなんだよ」といっていました。そしてその後、「でも、しょうがないよね。怒られるのが自分の仕事で、それが給料に入っていると思うしかないよね」ともいっていました。ここまで割り切ってリーダーという役割に徹することができれば素晴らしいです。

PMは楽しい仕事ではない

私は、プロジェクトマネジャー(PM)としてキャリアを歩んできました。そんな私に「PMを目指したいです」という人がいると、いつも私はこう応えています。

「本当にPMになりたいの? 楽しいもんじゃないよ。特にトラブルになったら、本当に辛いだけだよ」

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そしてその後、こう付け加えます。

「ただ、もう一度SEでキャリアをスタートしたとしても、やっぱりPMになると思うよ。なぜなら、やっぱりやりがいはあるし、市場でも需要のあるプロフェッションだからね」

トラブルプロジェクトのリーダーとして辛いことは仕事なのだと割り切って、心のストレスを軽減させましょう。そして、そのプロジェクトをやり遂げたなら、残りの1割の楽しいことが、その時に訪れます。このチームで最後までやりきった、やり遂げたのだという高揚感、共に戦い、成長したメンバー1人ひとりの笑顔、そしてもちろん自分の成長も。

その、最後の最後にのみ味わえる1割の極上の成果のために、残りの9割の辛苦を上手に乗り切ってほしいと思います。

木部 智之 デロイト トーマツ コンサルティング合同会社ディレクター

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きべ・ともゆき / Tomoyuki Kibe

横浜国立大学大学院環境情報学府工学研究科修了後、2002年に日本IBMに入社。数々の炎上プロジェクトの火を消し、エグゼクティブ・プロジェクト・マネージャーに。2018年よりパナソニックのソリューションビジネスの立ち上げに従事し、パナソニック コネクトのカンパニー役員を務めた。これまで、大小様々な組織やチームをリード。人材育成、リーダー育成にも力を入れており、社内外でビジネススキルやリーダーシップに関する研修やセミナーを実施。著書に、『入社1年目のビジネススキル大全』(三笠書房)、『プロジェクトのトラブル解決大全』(KADOKAWA)、『超速PC仕事術』(東洋経済新報社)など。

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