「炎上の火消し」ができない会社に共通する盲点 炎上プロジェクトに必ず共通する「ある問題」

✎ 1 ✎ 2 ✎ 3
著者フォロー
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小

スキルは定量的に評価できない、と思われがちですが、それは間違いです。スキルの定量的評価は可能です。主観でチームメンバーのスキルを5段階評価し、それを定量評価とするのです。一方、TOEICの点数などは客観的な定量評価となります。主観的な定量評価は、属人的な数字にはなりますが、数字で表すことが可能です。

スキル評価は評価者の主観評価となります。時には、好き嫌いも入ってしまいます。それは仕方ありません。そういうものと割り切ってしまいましょう。しかし、それを客観化することはできます。その方法とは、評価者を増やすことです。

1人からの評価は超主観的ですが、1000人からの評価なら客観化されます。プロジェクトでは2人、3人と評価者を増やします。1000人からの評価はできませんが、1人よりは2人、2人よりは3人のほうがより客観的になると考えて割り切ります。 

スキル項目を決めてスキルレベルを数値化する 

スキル評価をする時は、メンバーをリストアップして評価するスキル項目を決めます。そして、1人ひとりのスキルレベルを数値化すればいいだけです。 

プロジェクトのトラブル解決大全 小さな問題から大炎上まで使える「プロの火消し術86」
『プロジェクトのトラブル解決大全 小さな問題から大炎上まで使える「プロの火消し術86」』(KADOKAWA)。書影をクリックするとAmazonのサイトにジャンプします

私が30人くらいのチームを引き継いだ時に実施した内容を紹介します。前々からそのチームのスキルバランスに課題があると思っていたので、その仮説を可視化して検証できるようにしたいと考えました。 

スキル項目は、開発対象の業務知識、システム設計、プログラミング、マネジメントと定義し、私と他2人、合計3人でスキルレベルを入力しました。

結果、プログラムを書ける人は十分すぎる人数でしたが、開発対象の業務を理解してシステム設計をできる人が足りていないという結果が出ました。 

この評価をもとに不足領域の体制強化を図り、炎上チームを新体制で推進、解決することができました。 

出典:『プロジェクトのトラブル解決大全 小さな問題から大炎上まで使える「プロの火消し術86」』
木部 智之 デロイト トーマツ コンサルティング合同会社ディレクター

著者をフォローすると、最新記事をメールでお知らせします。右上のボタンからフォローください。

きべ・ともゆき / Tomoyuki Kibe

横浜国立大学大学院環境情報学府工学研究科修了後、2002年に日本IBMに入社。数々の炎上プロジェクトの火を消し、エグゼクティブ・プロジェクト・マネージャーに。2018年よりパナソニックのソリューションビジネスの立ち上げに従事し、パナソニック コネクトのカンパニー役員を務めた。これまで、大小様々な組織やチームをリード。人材育成、リーダー育成にも力を入れており、社内外でビジネススキルやリーダーシップに関する研修やセミナーを実施。著書に、『入社1年目のビジネススキル大全』(三笠書房)、『プロジェクトのトラブル解決大全』(KADOKAWA)、『超速PC仕事術』(東洋経済新報社)など。

この著者の記事一覧はこちら
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

関連記事
トピックボードAD
キャリア・教育の人気記事