「炎上の火消し」ができない会社に共通する盲点 炎上プロジェクトに必ず共通する「ある問題」

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その際は、自分の持っていない特徴を持っている人を引き込むことが多いです。たとえば、自分よりも技術的に長けている、とか、メンバーの人心掌握術が高い、など、そのプロジェクトで私自身のスキルだけでは足りない領域を補う目的です。当然ながら、リーダーがすべてのことをできるわけではありません。自分に足りないところを人を集めて補う、ということもリーダーの仕事です。

既存メンバーから優秀な人を見つけ出す

まだプロジェクト経験が浅く、そのようなネットワークがない人もいると思います。プロジェクトの規模で他所から人を引っ張ることができないこともあります。その場合は、プロジェクトを進めながら自分の参謀、右腕となりうる人を探します。必ず、プロジェクトに何人かはキラリと光るものを持ったメンバーがいます。そのようなメンバーを見つけたら、自分のそばにつけてプロジェクトの立て直しの要職を担わせましょう。

懐刀には置き場所があります。自分の直下です。プロジェクト横断で動けるポジションで、特定の領域を持たせずに、自分と同じ範囲でプロジェクトを見られるようにします。

時には、参謀が1人では足りずにチームとして組閣する時もあります。その際も配置するポジションは同じで、「プロジェクト推進」などという名前のチームにし、プロジェクトメンバーから見た時の見え方にも配慮します。私は「SWAT」と名付けたこともあります。SWATはアメリカ警察の特殊部隊のことで、プロジェクトを救済するための特別チームであることを示すために、このような名前にしました。

出典:『プロジェクトのトラブル解決大全 小さな問題から大炎上まで使える「プロの火消し術86」』

これからプロジェクトをリカバリするために、プロジェクトメンバーの力量を把握しましょう。体制図の資料からはチーム構成や名前しかわかりませんが、そこから一歩進んで、メンバーのスキル評価を行います。一般的に、スキルの評価や見える化は難しいとされています。理由は、評価者の感覚的な主観的評価になりがちで、定量化と客観化が難しいからです。

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