「炎上の火消し」ができない会社に共通する盲点 炎上プロジェクトに必ず共通する「ある問題」

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プロジェクト計画書と見比べると、プロジェクト全体のスコープに対してどのような役割分担、チーム構成にしているのかがわかります。プロジェクト内容に対して、人数が多すぎたり少なすぎたり、ということも探れます。また、肝となるチームやメンバーなども見えてきます。

課題管理表と進捗報告資料からは、チームごとの状況の濃淡が見えてきます。課題が多いチームはチーム統制が取れていなかったり、難しい範囲を担当していたりする可能性があります。進捗報告資料も同様で、いつも遅れがあるチーム、順調に進んでいるチームがわかります。

リーダーと主要メンバーもおさえておきます。リーダーは体制図からわかりますが、主要メンバーは課題管理表や進捗報告資料から割り出します。課題管理表には主担当の名前が書かれていて、よく出てくる名前、というものがわかります。それらの数人のメンバーがプロジェクトの主要メンバーである可能性が高いので、体制図でどこにアサインされているかを確認しておきます。

プロジェクトが炎上してしまった要因は、1人ひとりのメンバーというよりも、リーダーや主要メンバーにあることがほとんどです。だから、リーダーと主要メンバーは要チェックなのです。

ただし、この時点ではこれ以上のことはわからないので、これらを把握するにとどめておいて大丈夫です。

出典:『プロジェクトのトラブル解決大全 小さな問題から大炎上まで使える「プロの火消し術86」』

1人で局面を変えることはほぼ不可能

プロジェクトが炎上したのなら、これまでの体制やメンバーに何かしらの原因があります。リーダーが1人替わったところで、これまでのプロジェクトメンバーだけではリカバリできません。なぜならそのチームは、プロジェクトを炎上させてきたチームだからです。どんなにあなたが優秀であっても、1人で局面を変えていくことは極めて難しいミッションなのです。

そこで必要となるのが「懐刀」です。「懐刀」とは懐や帯に挟む守り刀のことで、自分が信頼するメンバーであり、参謀ともなるメンバーです。私が火消しをスタートする時は、必ず優秀なメンバーを連れてきて一緒にプロジェクトを進めます。それは社内のメンバーの場合もありますし、過去に一緒にプロジェクトをやった社外のパートナー会社の優秀なメンバーを引き込むこともあります。

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