
自分の身体に裏切られているような気持ちに
私の生みの母は、一度きりの行為で意図せず私を妊娠した。
その一方で、パウロと私は子どもをもとうと10年近くも奮闘していた。不妊治療中は数えきれないほどのホルモン注射を打ち、薬局で買った妊娠検査薬では、陰性の表示をイヤというほど目にした。
この10年間は涙に明け暮れ、自分がへまをしているような、自分の身体に裏切られているような気持ちで過ごしていた。次から次へと検査を受けたパウロと私は、医者と共に問題の原因を突き止めようとしていた。
その結果、問題は私の子宮の形にあることがわかった。ハート形の子宮は、流産のリスクを高めると言われたのだ。健康な赤ちゃんを正産期まで育てることも可能だけれど、リスクを伴う、と。
私たちはトライし続けたけれど、妊娠まで至らないか、流産するかのどちらかに終わった。一連の出来事は、イットコスメティックスの爆発的な成長と、とめどなく入り続ける仕事のスケジュールに追われる裏で起きていた。
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