「あなたのような見た目の人から化粧品を買う女性がいるとは思えない」と言われてもはい上がり、ついには、化粧品最大手のロレアルに約1500億円という巨額で自社を売却するに至った女性起業家の自伝『Believe It 輝く準備はできてるか』がついに翻訳出版された。
原書はNYタイムズ、ウォール・ストリート・ジャーナル、USA TODAYでベストセラー入りを果たし、話題書となっている。
本書で翻訳者デビューを果たした森田理沙氏に、本書との出会いから翻訳作業、刊行に至るまでのエピソードを聞いた。
もがき苦しんだ成功者の話
『ビリーブイット』は、カネなし、コネなしの状態から、決してぶれない信念を武器に、美容業界の歴史に名を刻んだ女性のリアルな旅路です。
一言で紹介すれば、「自宅リビングで始めた会社を、業界最大手のロレアルに1500億円で売却した女性の物語」。
こう聞くと、自分とは住む世界の違う人のサクセスストーリーかと思うかもしれません。しかし、いざ読み始めると、大きな成功を収めた人も、自分と同じ人間であり、同じように悩み、もがき、涙を流しているのだと実感することになるでしょう。
それは、著者のジェイミーが、大抵の人が隠しておきたいと思うような恥部や心の機微にいたるまで、華やかな成功の裏に隠された「リアルな物語」を、包み隠さずさらけ出しているからです。
胸に迫るシーンが多く、翻訳者である私自身、読みながら感情移入して泣いたところもありました。なかでも、特に印象的だったのは、苦しみ抜いてようやく成功への手がかりをつかんだジェイミーが行ったスピーチです。
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