「略歴たった1行」の私が翻訳者デビューできた訳 やり抜く力をくれた「Believe It」著者スピーチ

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イットコスメティックスがまだ無名だった頃、ジェイミーは、1万人以上の会員を抱える業界団体が主催する実演会で、自社の製品をアピールし、それをきっかけに、アメリカ最大の通販番組であるQVCへの出演機会をつかみます。

QVCに出演したジェイミーは、自らがモデルとなって、自分の肌トラブルをさらけ出し、こんなトラブルを抱えたリアルな女性にこそ効果がある製品だとアピールします。

瞬く間に拡散した圧巻のスピーチ

それは、若い美肌のモデルを使って製品をアピールするという従来の常識とは真逆のものでした。ジェイミーは、若い美肌のモデルを使って、ありえないほど美しい「美の常識」を創り出していた業界に、一石を投じたのです。

これによって、リアルな女性たちからの支持を得ることになり、イットコスメティックスの快進撃が始まります。ジェイミーは、美容業界におけるアカデミー賞に匹敵する最高の名誉ある賞を受賞するのです。

このときのスピーチが私の胸を打ちました。彼女は当初、自身を支えてくれた人々のための感謝の言葉を述べようとします。しかし、気づくのです。

「この機会と瞬間が、美容業界にさらなる大変化を巻き起こすためのチャンスとして私に与えられたものなら、どうする?」と。

慣例や常識ではなく、自分の心の声に従ったジェイミーは、お礼の言葉を述べる代わりに、業界に対して長年抱き続けていた疑問をぶつけ、並み居る大物たちに「変わりなさい」と挑戦状を叩きつけました。

業界を牛耳る権力者たちが勢ぞろいするアリーナ(戦場)に、単身で乗り込み、「今ここにいる皆さん1人1人には、少女や女性のために、状況を変える力がある」と述べ、こんな言葉でスピーチを締めくくったのです。

「あなたという力を使って……あなたは何をしますか?!」

スピーチは瞬く間に拡散し、ジェイミーの言葉に勇気づけられたと、涙を流して感謝を述べる女性たちがいました。

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