「略歴たった1行」の私が翻訳者デビューできた訳 やり抜く力をくれた「Believe It」著者スピーチ

✎ 1〜 ✎ 11 ✎ 12 ✎ 13 ✎ 最新
拡大
縮小

本書の校了間際、著者プロフィールのページを確認していたときに、こんなことがありました。

ジェイミーの経歴の下に、訳者である私のプロフィールが並んでいるのですが、彼女の華々しい経歴に比べて、私はたった一行しかないのです。

私には過去作もありません。差がありすぎて、もう少し書き足したほうがよいのではと考えたのですが、ないものはないのですから、仕方がありません。

それに、ジェイミーが教えてくれるように「ありのままの、ウソ偽りない自分」でいることが何よりも大事だと思い直し、正直にそのままでいくことにしました。

ノーを恐れず行動することがイエスにつながる

その後、日本語版のカバーを見て、心から素晴らしいと思いました。さらにジェイミー本人がインスタで紹介してくれているのも見て、感激しています。

女性のためにひと肌もふた肌も脱ぎ続けるジェイミーの旅路をリアルにつづった本書で、夢だった翻訳者デビューを果たせたことが、私は嬉しくてたまりません。

そもそもなぜ、東洋経済新報社に本書の企画を送ったのか。そのきっかけは、それ以前に同社が募集していた下訳の案件に応募したことでした。

あのとき、応募要件を満たしていない私が、不採用になるのを覚悟で思いきって応募したことで、ご縁ができました。その後も、断られるのを覚悟で何度か企画書を送り続けたことも、今思えば今回のイエスに繋がったのかな、と思います。

ジェイミーが、ロレアルのキャロル・ハミルトンにイットコスメティックスの商品詰め合わせを送り、それがきっかけで同社に買収されることを思えば、ノーを恐れずに行動することで思わぬイエスにつながる、ということを、私もまた経験していました。

本書の翻訳刊行はまさに、私の「ビリーブイット」でもあったのです。

(構成:泉美木蘭)

森田 理沙 翻訳家

著者をフォローすると、最新記事をメールでお知らせします。右上のボタンからフォローください。

もりた りさ / Risa Morita

翻訳家。獨協大学外国語学部卒業。自動車会社勤務を経て、翻訳の道を志す。

この著者の記事一覧はこちら
関連記事
トピックボードAD
キャリア・教育の人気記事
トレンドライブラリーAD
連載一覧
連載一覧はこちら
人気の動画
【田内学×後藤達也】新興国化する日本、プロの「新NISA」観
【田内学×後藤達也】新興国化する日本、プロの「新NISA」観
TSUTAYAも大量閉店、CCCに起きている地殻変動
TSUTAYAも大量閉店、CCCに起きている地殻変動
【田内学×後藤達也】激論!日本を底上げする「金融教育」とは
【田内学×後藤達也】激論!日本を底上げする「金融教育」とは
【田内学×後藤達也】株高の今「怪しい経済情報」ここに注意
【田内学×後藤達也】株高の今「怪しい経済情報」ここに注意
アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
  • シェア
会員記事アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
トレンドウォッチAD
東洋経済education×ICT