彼女たちに贖罪の意識があることは、次のような信者の語りからわかります。
「韓国に嫁に来るのは植民地支配の恨みを解くため。嫁にいって、いい嫁になって、日本の嫁はいい嫁だ、日本人はいい人だというようになっていけばいい」(1978年生まれ)
「家事が下手、料理が下手など口うるさい夫に文句を言われてムカつくが、日本が犯してきた罪。罪滅ぼしで来ているんだろうな、と思って我慢している」(1972年生まれ)
生活苦で日本人女性が夫を殺害
――いくら信仰心があっても現実を受け入れるのが難しい局面もあるのでは。
悲劇的な事件がないわけではありません。
2012年、韓国の江原道春川在住の日本人女性(当時52歳)が、韓国人の夫(同51歳)の首を絞めて殺害する事件がありました(春川事件)。「中央日報」(2012年8月21日)日本語版サイトの記事には、日本人女性は「95年、ある宗教団体の斡旋で」夫と国際結婚し、韓国で暮らし始めたと書いてあるだけですが、1995年の合同結婚式で結婚した女性でした。
記事によれば、夫は結婚当時から無職で毎月30万ウォンほどの基礎生活受給費で生計を維持していました。しかし、事件が起きる10年前から腎不全による人工透析が必要になり、酒を飲んでは妻に暴力を振るっていたようです。妻は警察に「これ以上の治療費に耐えられず、自分も生きていくのが苦しくて(殺害)した」と供述。2013年、春川地裁で懲役9年の実刑判決が下されています。