――韓日祝福は、普通の「祝福」とは違うのでしょうか。
統一教会は韓日祝福を「最も理想的」としています。統一教会が目指すところは、理想世界「地上天国」の実現。「地上天国」は国境、民族、宗教が垣根を越えて一つになった世界とされ、その点で国際結婚に価値がおかれます。とりわけ最も理想的なのが「韓日祝福」なのです。
――なぜ、最も理想的なのでしょうか。
日本と韓国には植民地支配と被支配の不幸な歴史があるからです。不幸な関係にあった国や民族同士の結婚ほど理想的とされるのです。
さらに統一教会の教えでは、日本は「エバ国家」、韓国は「アダム国家」とされます。エバは蛇(サタンの隠喩)と不義の関係を持ったうえにアダムを誘惑し、人類堕落の原因をつくったとされます。
36年間にわたり朝鮮半島を植民地支配した日本は、人類堕落の原因をつくったエバと同じであり、アダム国家の韓国に贖罪しなければならないという理屈です。だから日本人女性が韓国人男性のもとに嫁ぎ、夫や夫の家族に尽くしなさいとなる。それが植民地支配したことへの贖罪であり、統一教会用語でいう「蕩減(とうげん)」(罪の清算)になります。
経済的苦労に加え、夫は「にわか信者」
――では、韓日祝福を受けて韓国人男性と結婚した日本人女性たちは、最も理想的な結婚生活を送っていることになると。
教義的には理想的な結婚ですが、実際の生活は大変です。統一教会は恋愛結婚を否定しており、合同結婚式では知らない者同士がカップリングされています。恋愛感情がない相手のもとに嫁ぎ、言葉や生活習慣が違う韓国で暮らすわけですから。