「万策尽きた」中途採用に多くの人事が苦戦の実態 「企業を変革する人材」は一体どこにいるのか

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そもそもそうした人材は会社で目下活躍していて、転職活動をしていない可能性が高い。ですから、接点づくり自体が簡単ではありません。

さらに30代以降の転職ですから、キャリアプランを考えて慎重に考える人が多くなります。また、家族の兼ね合いなど、転職が大きく影響する関係者の数も増え、一筋縄ではいきません。

筆者の知人で、まさに「変革のキー人材」として転職活動をしたら引っ張りだこになりそうな人材がいます。仮にAさんとします。

Aさんは、子供がまもなく受験なので生活環境を大きく変えたくない。だから転職活動はしないと話してくれました。

転職するなら奥様の承認を得る必要があり、その承認もかなり難しいとのこと。

こうして難易度は低くないものの、Aさんのように日々の仕事を着々とこなしている、転職活動とは縁遠い人材に、今企業が欲しい候補者が隠れている可能性が高そうです。

ほしい人材はスカウトするしかなくなってきた

こうした人材にアプローチする方法として注目が高まってきたのが、スカウト活動です。転職活動をしていない人でも経歴的に採用したい人材を探して、採用につなげる方法です。

社員による紹介も含めて、欲しい人材をバイネームでリストアップして外部のサーチファームに依頼。ないしは人事部が自らアプローチ。人事部は選ぶところから口説くところまでを期待されることになりますので、その役割は大きくなります。

もちろん、すべての採用の転換ではありませんが、経営からの期待が大きな採用ですから専門的なチームを組成して取り組むような覚悟も必要でしょう。

こうしたスカウト型の採用を成功させるためには、相手を口説けるくらい、魅力ある処遇の準備も必要になります。

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例えば、転職に対してプロ野球選手が入団するときに得る「契約金」に近いものや、成果を出したときに得られる「ゴールインボーナス」のようなものも検討、整備が必要になるかもしれません

それくらいの大胆な覚悟が、変革のキーになる人材を口説き、採用につなげるには必要だと、人事と経営で腹をくくるべきでしょう。

最後に、スカウトも活用して変革のキーとなる人材を採用するなら、人事部の人に求められるスキルと人材像も変わります。人事の担当者は、守りから攻めの人事に変わること、果敢に採用に取り組んでいく意識を持つことがますます重要になりそうです。

高城 幸司 株式会社セレブレイン社長

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たかぎ こうじ / Kouji Takagi

1964年10月21日、東京都生まれ。1986年同志社大学文学部卒業後、リクルートに入社。6期トップセールスに輝き、社内で創業以来歴史に残る「伝説のトップセールスマン」と呼ばれる。また、当時の活躍を書いたビジネス書は10万部を超えるベストセラーとなった。1996年には日本初の独立/起業の情報誌『アントレ』を立ち上げ、事業部長、編集長を経験。その後、株式会社セレブレイン社長に就任。その他、講演活動やラジオパーソナリティとして多くのタレント・経営者との接点を広げている。著書に『トップ営業のフレームワーク 売るための行動パターンと仕組み化・習慣化』(東洋経済新報社刊)など。

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