トヨタ「香川照之氏との契約終了」の先に待つ難題 単なるCMタレントに留まらない重責を担っていた

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ところが、今回の件で、情報を企業側で自由にコントロールできるはずの「オウンドメディア」(自社保有メディア)においても、情報管理は容易ではなく、大きなリスクが潜んでいることが顕在化してしまった。

(メディアではない)一般企業が自らメディアを立ち上げて情報発信を行う場合、「集客」が問題になるが、有名タレントの起用は集客面で大きな効果をもたらす。

「トヨタイムズ」はオウンドメディアでありながら、香川氏を「編集長」として起用することで、第三者的な体裁を取って情報発信を行ってきた。また、広告、動画共有サイト、SNSも活用、相互に連携しながら、自社メディア(Webサイト)に誘導していくという仕組みを取っていた。

オウンドメディアマーケティングは、集客、つまりアクセス対策をどうするのか? 読者が関心を持ち、自分から進んで見てくれる情報をどのように発信するのか? という課題が生じる。

香川氏の起用はこの課題を解決する方法のひとつであり、契約終了となることで、上記の課題が再び顕在化することになる。契約終了で、問題も終了――というわけにはいかないのだ。

開けられたパンドラの箱

CM放映が中止になるだけでなく、香川氏のトヨタイムズ編集長としての役割も「年末で満了」になりそうだ。

出版社においても、編集長が不祥事を起こしたら、編集長を代えるという対応が取られるだろう。しかしながら、「トヨタイムズ」において、香川氏が雑誌の編集長と同じ役割を担っていたと考える人は誰もいないだろう。編集長という肩書のもと、香川氏はトヨタイムズの「コンテンツそのもの」となり、集客役を担っていた。出版社のように「編集長を刷新して終わり」というわけにはいかないのだ。

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