トヨタ「香川照之氏との契約終了」の先に待つ難題 単なるCMタレントに留まらない重責を担っていた

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「トヨタイムズ」の運用において、これからトヨタが解決しなければならない課題は主に下記の3つである。

① 過去コンテンツの扱い
② 後任の「編集長」の起用
③ リスクマネジメント

①について考えてみよう。オウンドメディアである「トヨタイムズ」はストック型のメディアであり、マスメディアや広告のようなフロー型のメディアとは異なる。香川氏が出演している過去のコンテンツの扱いをどうするのか? という問題がある。

映画監督や俳優が不祥事を起こした場合、新作が上映中止になることはあっても、ネット配信やDVD販売・レンタルなどの2次流通まで取り下げられることはまれである。実際、園子温氏や木下ほうか氏の過去作品は現在も流通している。

しかしながら、「トヨタイムズ」は企業情報を発信するメディアであり、作品そのものを楽しむ映画やドラマなどのコンテンツとは様相が異なる。同じ扱いをすればよいというものでもない。

香川氏はトヨタイムズ編集長に適任だった

②の「香川氏の後任をどうするのか?」についても、前例が通用しない悩ましい問題である。

CMタレントは、必ずしも当該企業のファンであったり、当該商品のユーザーであったりする必要はない(もちろん、そうであるほうが好ましいが)し、視聴者もそれを求めているわけではない。

一方、オウンドメディアにおいては、タレント自身の知名度や好感度、集客力に加えて、企業や商品、ブランドと親和性のある人材を起用することが重要になる。特に、「トヨタイムズ」で求められているのは「編集長」であり、配信する情報に対して、形だけでも知識、見識を備えているように見せる必要がある。

改めて振り返ると、香川氏は「トヨタイムズ編集長」として極めて適任だった(もちろん「不祥事さえ起こしていなければ」という条件下においてだが)と言える。知名度は抜群だし、おどけているように見せて、自身も経営者としてビジネスの世界にも精通しており、知的なイメージがある。香川氏以上の適任の後任を見つけるのはそう容易ではないだろう。

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