トヨタ「香川照之氏との契約終了」の先に待つ難題 単なるCMタレントに留まらない重責を担っていた

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トヨタイムズ編集長・香川照之氏と豊田章男社長
香川照之氏はトヨタイムズ編集長としてトヨタのまさに広告塔として各方面に露出していた(トヨタの社内報『トヨタイムズmagazine』より、東洋経済オンライン編集部撮影)

「トヨタイムズ編集長の香川照之です!! 今日は・・・」

大ヒットドラマ『半沢直樹』(TBS系)でキーマンの大和田暁を演じ、日本中に強烈なインパクトを与えた香川照之氏。その香川氏が近年出演していたのが、トヨタ自動車の運営するメディア「トヨタイムズ」のテレビCM。これもまた、押し出しの強い香川氏のキャラクターとともに鮮明に思い出す人は多いだろう。

「本当のことをちゃんとリアル、ガチに追求していくのが、この『トヨタイムズ』なんだ!」

トヨタイムズ編集長に就任した香川氏が所信表明で熱く語ったのは、「トヨタイムズ」が開設された直後、2019年1月のことだった。

その時点では、3年数カ月後に自分自身が厳しく追及されることになろうとは、香川氏自身も含めて、誰も想像さえできなかったに違いない。

トヨタの対応は適正だったのか?

香川氏の「性加害疑惑」報道を受けて、トヨタは香川氏が出演するCMの放送を見合わせ、契約を更新しないもようだ。それに続いて、香川氏とCM契約をしている他企業も相次いで契約終了を表明するに至っている。

CMタレントの不祥事に対して、広告の取り下げや契約解除を行うべきか否かを判断するのは、意外に難しい。

究極的には「契約料に見合ったイメージ効果が得られるのか得られないのか?」という費用対効果が問われるだけなのだが、タレントのイメージ、不祥事の内容、およびそれに対する対応、世論の動向など、複数の要素が絡んでくるため、適正な判断を行うためには、高度な情報収集力と判断力が求められる。

不祥事を起こしたからといって、むやみに広告を取り下げればいいというものでもない。過剰対応が問題視されたり、ファンから反発を受けたりといった、取り下げることのリスクもあるからだ。

今回の香川氏の一件も、判断が難しい事例であったと言える。もちろん、香川氏の行為自体は許されるものではない。しかしながら、被害女性が訴訟を起こしたのは、香川氏ではなく、クラブのママであり、しかもそれも取り下げられている。この点において、少なくとも当事者間では「問題は解決している」と見ることができる。また、香川氏側も反省、謝罪の意を示しており、自らの犯した過ちに誠実に向き合っていると言ってよい。

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