開発進むも郷愁漂う「岐阜」タクシーから見た実態 新旧が混じり合ったような独特な心地よさ

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高層ビルも立つJR岐阜駅北口(筆者撮影)

日中と夜で異なる姿を見せるJR岐阜駅北口

JR岐阜駅周辺は近年で急激に変貌を遂げながらも、どこかノスタルジックな雰囲気を残す。名古屋まで約20分というアクセスのよさを活かし、ターミナル駅として開発が進む。

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駅の付近は「岐阜駅北口駅前広場整備計画」に基づき、高層マンションも立ち並ぶ。一日の乗降者数も2001年ごろから着実に伸びを見せ、「国土数値情報(駅別乗降客数データ)」によれば、2019年には約6万4000人に上る。

北口を出て数分歩くと、こじゃれた飲食店の数々が目に入ってくる。地方都市にありがちなチェーン店が駅前に乱立しているわけではなく、10席程度のこじんまりした店舗も目立つ。夜になればそういった若者向けの飲食店に人が集まり、通勤から戻ったであろうサラリーマンたちが一息つけるような昔ながらの居酒屋にも活気もある。名鉄岐阜駅からもほど近いこの周辺は、新旧が混じり合ったような独特な心地よさを感じるのだ。

しかし、日中にこのあたりを歩くとすいぶん様子は異なった。かつて繊維の町として栄えたこのエリアは、繊維問屋街と呼ばれる商店街が今なお残る。だが、日中にもかかわらず多くが開店しておらず、いわゆるシャッター商店街でもあった。商店街の店主と話すと、「いつもこんなもんだよ」と自嘲気味に話す。

JR岐阜駅北口の商店街
シャッターを下ろした店が目立つ商店街(筆者撮影)
岐阜駅周辺の飲み屋街
岐阜駅周辺の飲み屋街の昼間の様子(筆者撮影)

その一方で商店街からほんの少し歩けば大型のマンションやホテル、商業ビルが続々と開発されており、昔ながらの商店街との対比はどこかアンバランスな印象さえ与える。

繁華街が近い岐阜駅北口で待つタクシーに乗り込むと、岐阜で5年以上ドライバーをしているという秋山さん(仮名・60代)に出会った。秋山さんによれば、タクシーを利用する客層にも変化があるという。

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