同じ空間で仕事していれば、ある程度の経過がわかるため、たとえ途中で指示が変わっても理解しやすいのですが、リモートワークでは途中経過を知らされず指示されることが増えます。
指示を出す側にとっては物事の経過があったうえでの指示だったとしても、受け取る側からすると「最初に言っていたことと違う」と、ダブルバインドを感じやすくなることにつながるのです。そのため、指示が必要以上に強く、一方的に伝わってしまいます。一言だけの指示がきて、「急に言われた」「なんか怒られている?」と感じることも多く、最近はそうした言動に疲弊しているという相談も多く寄せられます。
ダブルバインドは、受け手に強い精神的なストレスを与えるため、相手の意向にそえないことに不安を覚え、「また怒られるのではないか」という恐れにまで発展することがあります。そうすると「相手を怒らせないこと」が第一優先になり、本来の目的であるスムーズな業務遂行が二の次になってしまいます。
また、自分の判断や行動がすべて間違っているのではないかと考えるようになり、自信を喪失していくこともあります。必要以上に相手の顔色を伺うようになるので、本来の自分らしさや主体性も失われてしまいます。さらに、何を信じていいかわからなくなるため、信頼関係も構築しにくくなります。
3つの有効な「防衛策」
では、対応策としてどうしたらよいのでしょうか。3つご紹介します。
1.内容を復唱する
指示を受けた際に、内容を復唱するのは有効な方法です。「わからないことがあったらすぐに聞いて」と言われた場合であれば、「では、わからないことがあったらすぐに聞きます」など、言われたとおりに確認しましょう。
チャットでのやり取りの場合も、指示に対して「はい」「わかりました」だけではなく、「〇〇の件、承知しました」「〇〇を△△までに処理します」と、内容を繰り返しましょう。互いに明確に意思疎通しておくと、誤認を防げます。
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