「上司のダブルバインド」に試したい3つの防衛策 「何でも質問して」→「それくらい自分で考えて」

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2.会話の前に前置きをする

「先日何でも聞いて良いとおっしゃっていたので、お聞きしますが……」などと前置きするのも効果的です。ダブルバインドをする相手に対しては、このように先に予防線を張ってから会話を始めると良いでしょう。ただし、言い方や口調は穏やかに、嫌味と受け取られないように気を付けたいですね。

3.自分の返答・態度も振り返る

相手のメッセージに対して適切に答えられているか、突っ込まれる隙を与えていないか、自分の返答を振り返ってみることも大切です。

例)
上司:「どうしてこんなミスをしたのか、理由を説明して」
部下:説明する
上司:「言い訳をするな」

このときに、理由を説明しているようで説明できておらず、ただの言い訳に聞こえてしまっていることも考えられます。例えば「こうするつもりはなかったのですが……」「こうなることは想定外だったので……」といった、自分の気持ちを含む発言をすると言い訳と捉えられやすいので気を付けましょう。「こういう状況でした」など、事実のみを報告することで説明と認識されやすいので、気持ちと事実を分ける必要があります。

プロセスや経緯を詳しく伝える

また、自分がダブルバインドをしないように心がけることも大切です。
「相反するメッセージを発すること」自体に問題はありません。状況が変わって指示が変更になることはあるからです。

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しかし、その状況説明を飛ばして変更した指示だけをポンと伝えると、「前と言っていることが違う」「結局どっちが正しいの?」と困惑させてしまいます。これを防ぐには、指示を変えるときはプロセスや経緯をできるだけ詳しく伝え、なぜ変わったのかをフォローすると良いでしょう。

相手に大きな精神的ストレスを与え、仕事のパフォーマンスや作業効率も低下させてしまうダブルバインド。上司によるダブルバインドに悩んでいる方は、今回ご紹介した防衛策をぜひ試してみてください。また、自分がしている側になってしまっていないかについても振り返るきっかけになればと思います。

大野 萌子 日本メンタルアップ支援機構 代表理事

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おおの もえこ / Moeko Ohno

法政大学卒。一般社団法人日本メンタルアップ支援機構(メンタルアップマネージャ資格認定機関)代表理事、産業カウンセラー、2級キャリアコンサルティング技能士。企業内健康管理室カウンセラーとしての長年の現場経験を生かした、人間関係改善に必須のコミュニケーション、ストレスマネジメントなどの分野を得意とする。現在は防衛省、文部科学省などの官公庁をはじめ、大手企業、大学、医療機関などで年間120件以上の講演・研修を行い、机上の空論ではない「生きたメンタルヘルス対策」を提供している。著書に『よけいなひと言を好かれるセリフに変える言いかえ図鑑』(サンマーク出版)がある。

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