本作は、各地を旅する感覚も強い作品です。世界を救う仲間たちとの運命的な出会いはもちろん、「ゾンビホイホイ」でゾンビを一網打尽にしたり、観光地であるサマーズの高級レストランに入って子供扱いされたり、「はい」が「いいえ」で「いいえ」が「はい」というルールがある不気味なムーンサイドで恐怖を感じたりと、どの街も思い出に残るような場所になっています。
サウンドも特徴的で、落ち着く街のBGMやバトルの不思議な曲も強く記憶に残ります。ビートルズやビーチボーイズを思わせるフレーズもあり、本作の代表曲の1つである『エイトメロディーズ』は音楽の教科書にも載ったそうです。
単なる街の人にもテキストで人間らしさを吹き込む
『MOTHER2 ギーグの逆襲』のなかで最もインパクトが大きいのは、やはりテキストでしょう。ゲーム中のテキストも糸井重里氏が監修しているだけあって、ほかの作品では見られないものがたくさんあります。
古いRPGだと「ここは○○の町だよ」と教えてくれる人がいたりするのですが、これはふつうに考えればおかしい話です。そんな看板のような機能を与えられた存在は、もはや人間とは言い難いですよね。
本作ではそれを逆手にとり、まさしく看板のように町の名前を教えてくれるおじいさんに、あえて「わしは かんばんじゃ ないぞ」と言わせるなど、その他大勢の人たちにもテキストで人間らしさを吹き込んでいます。
最初の町であるオネットでは、とある家を尋ねるとクイズを出されます。その内容は「アルプスの少女○○ジ」の部分に何が入るかというもので、プレイヤーは「はい」か「いいえ」で答えることになるのです。
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