「奨学金400万円」30歳彼女が見た母の預金通帳 「学費を払えば、母と弟の生活は成り立たない」

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「寮にはアメリカ、ヨーロッパ、アフリカ、中国など、いろんな地域から学生が集まっていました。高校まで日本人しかいない環境で育ったのに、語学学校と大学で急に外国人ばかりになって、しかも、彼らとの共通語は韓国語。とても面白い空間でした。

毎日フェスティバル状態で、例えばインドをテーマにした1日があったとすると、学生たちがインド料理の屋台を出したり、伝統文化を披露してくれるんですよ。韓国文化はもちろん現地にいるので見ることはできますが、学内にいるとほかの国の文化や考え方にも触れられました」

奨学金を借りる高校生たちに伝えたいこと

自分を人間的に成長させてくれたことに感謝している佐藤さんだが、奨学金を返済し終わった今だからこそ、これから大学進学を控えている高校生たちにはこんな想いを抱いているという。

「私はもともと国内の大学に進む予定でしたが、家庭の経済的な事情には抗えずに、今の選択肢を選んだところがあります。韓国に行った当初は『この選択は間違っていたのかもしれない』と思った瞬間もありました。

でも、今振り返ると、韓国に行ったことは私にとって正解でした。もし、国内の私立大学に通っていたら、『京都の大学に行かせるお金ぐらいはあった』と言いつつ、母と弟の生活に影響が出ていたかもしれないし、私自身も語学力を身につけることもできず、就職活動がうまくいったかもわかりません。

奨学金借りたら人生こうなった
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だから、どんな道を選んでもいいのですが、その選んだ道が『失敗だな』と思ったとしても、そこから先をどう良くしていけばいいのかを考えて、自分の理想とする姿に近づくにはどのような選択肢を選ぶべきか考えていくのが大事なんだと思います。

今はSNSなどもあって、情報収集もしやすくなったと思うので、とにかくいろいろな情報に触れて、いろんな人と話して見聞を広めて、自分の選択肢の範囲を広げてほしいなと思います」

国内の大学への進学という選択肢を諦め、語学留学という当初は「失敗」だと思った選択肢を、たゆまぬ努力で「正解」に変えてきた佐藤さん。人生という荒波を生き抜くうえで欠かせない、逞しさを教えてもらえた気がした。

本連載「奨学金借りたら人生こうなった」では、奨学金を返済している/返済した方からの体験談をお待ちしております。お申し込みはこちらのフォームよりお願いします。奨学金を借りている/給付を受けている最中の、現役の学生の方からの応募も歓迎します。
千駄木 雄大 編集者/ライター

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せんだぎ・ゆうだい / Yudai Sendagi

編集者/ライター。1993年、福岡県生まれ。奨学金、ジャズのほか、アルコール依存症に苦しんだ経験をもとにストロング系飲料についても執筆活動中。奨学金では識者として、「Abema Prime」に出演。編集者としては「驚異の陳列室『書肆ゲンシシャ』の奇妙なコレクション」(webムー)なども手掛ける。著書に『奨学金、借りたら人生こうなった』(扶桑社新書)。原作に『奨学金借りたら人生こうなる!?~なぜか奨学生が集まるミナミ荘~』がある。毎月、南阿佐ヶ谷トーキングボックスにて「ライターとして食っていくための会議」を開催中。

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