「父親に刺されかけ、16歳で東大合格」彼のその後 AI博士カリスの超シンプルなキャリア戦略
「開発や研究などの仕事ってチームとして取り組むことが多いですが、どれだけ自分が貢献できたのか、個人としての成果を目に見える形にする意識も必要です。
『チームとしてあれもこれも全部やって、全部上手くいきました』と履歴書に書かれていても、個人の成果は分かりませんから。
例えば、それをブログやTwitter、noteに書いてもいいですし、『エンジニアtype』の読者であれば、GitHubコミットやKaggle参加、競技プログラミング参加、論文執筆などにチャレンジしてもいいですよね。
そうやってアウトプットしていけば自分自身の信頼性を高めますし、周りからの見え方も変わってくると思います」
停滞感があるなら、一度はみ出してみるといい
「特別な自分」になるために戦略を立て、うまく舵取りしている印象のカリスさんだが、実際は「はじめからすべてを決めているわけではない」そうだ。
「僕の場合、『勝ち筋を見つける』といっても、はじめは直観的に何をすればいいのかを考えているだけなんです。
そこでまずは動き出してみて、後付けで理由を探したり、仮説を立てたりしながら正しい道筋へとチューニングしていくイメージですね。
将棋棋士の羽生善治先生も語っているように、直観って理屈よりもずっと重要なはずなんです。
『勝負の場面では、時間的な猶予があまりない。論理的な思考を構築していたのでは時間がかかりすぎる。そこで思考の過程を事細かく緻密に理論づけることなく、流れの中でこれしかないという判断をする。
そのためには、堆く積まれた思考の束から、最善手を導き出すことが必要となる。直感は、この導き出しを日常的に行うことによって、脳の回路が鍛えられ、修練されていった結果であろう』と」
こういった考え方は「仕事の本質にも近しいと思う」と続ける。
「例えばエンジニアであれば、今開発に何が求められているか、それを解決するにはどうすればいいのかを、まず直観的に考えて行動にうつす。そこから徐々に理想的な形にチューニングしていく……これが仕事における『本質的なサイクル』なんじゃないかなって思うんですよね。