「父親に刺されかけ、16歳で東大合格」彼のその後 AI博士カリスの超シンプルなキャリア戦略

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それに『天才たちの成功事例』をネットや書籍などでたくさん調べて、彼らのエピソードに多く触れたことも影響しています。11歳でハーバード大学に受かったとか、25歳でノーベル賞を獲ったとか、世の中には天才がたくさんいますよね。

彼らのエピソードを調べていくと、『16歳で東大に合格する』ってそんなにハードルが高いことではないように思えてくるんですよ。彼らの成功に比べたら、100分の1くらいの難易度なんじゃないかって。

偉大な彼らと肩を並べるまでにはなれないけれど、頑張ればその中でビリくらいには入れるんじゃないかと思って(笑)。そういう思い込みみたいなものが、自分の原動力になっていますね。

原動力は根拠のない自信

根拠のない自信って、人生において物凄く大事だと思うんです。根拠のある自信は、失敗して根拠があやふやになると、崩れてしまいますから。

だから若手のエンジニアや研究者などには、成功体験なんてなくたっていいから、何度でも挑戦してほしいですね」

また、「特別な存在になる」ためには、ある法則が存在するとカリスさんは言う。キーワードは「代替可能性の低さ」と「ニーズの高さ」だ。

「キャリアの勝ち筋をつくる上で重要なのは、代替可能性が低く、周りからのニーズが高い分野を選ぶこと。この二つがかなえられていれば、周囲からの評価はおのずとついてくると思います。

例えば僕が今、力をいれているYouTubeも、『YouTuberをやっているAI研究者って他にいないんじゃないか』と考えてスタートしました。狙い通り、これを面白がってたくさんの人が声を掛けてくれましたね。

僕はそうやって『この人にしかできないことだよね』という状況をつくり続けることで、自分の価値を最大化してきたように思います」

加えてカリスさんは、「成果を見える化する」ことにもこだわっているという。

(写真:桑原美樹)
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