「父親に刺されかけ、16歳で東大合格」彼のその後 AI博士カリスの超シンプルなキャリア戦略

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でも本当に必要な研究や、研究者から評価されるテーマって『多くの人から求められているかどうか』で決まると思うんですよ。

ですから僕は研究テーマの目的として、最大の業界課題である『医用画像データ不足の解消』を設定しました。

医用画像データは撮影装置・撮影方法・疾患・個人差などによるバラツキが大きく、患者への負担もあるため、多様なデータを十分に収集することが困難です。

そこでAIを使ってデータの水増しをしたり、正常データの分布から外れた異常(=疾患)を検出したり、複数のデータセットを汎化して検出精度を高めたりと、さまざまな研究を進めています」

実際にカリスさんが書いた論文は数100回以上引用されていたり、さまざまな医療AI関連企業において活用されたりするなど、大きな成果を生み出している。

「東大合格くらいなら自分にもできる」

「全ての選択において、常に自分が第一人者になるための勝ち筋を考えて行動してきたので、今の結果は『なるべくしてなった』と思っています(笑)」

そう言って笑いながら、自身のキャリアを淡々と語るカリスさん。

ただ、いくら「人生の勝ち筋」を描くことができても、それを実行できる人はごくわずかだ。

なぜカリスさんは自分の可能性を信じ、行動を起こすことができたのだろうか。

「小さい頃から『自分は特別である』と思いたい気持ちが強かったんです。本を読んだりゲームをしたりすると、その中の主人公ってみんな逆境を乗り越えて成長し、自分のなりたい姿になっていきますよね。自分もそういった存在になりたいと常に憧れていました。

(写真:桑原美樹)
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