G7で最下位「日本の労働生産性」がこうも低い理由 「LayerX福島良典×ナレッジワーク川中真耶」
福島:それはうちも同じですよ! いまの状況は、ごく一部の感度が高いエンジニアがBtoBクラウドサービスの魅力に気付いているだけ。
もっとこの分野で活躍してくれるエンジニアの母数を増やしていかないと、いつまで経っても日本のクラウドサービス提供者は大きくなれませんし、数も増えません。われわれが努力してそこを変えていくんだという気概を持ってやっています。
サービスの提供価値を分かりやすく伝える
——とはいえ、エンジニアが「自分が使っているWebサービスに携わりたい」と考える気持ちも分かります。
川中:そうですね。実際に当社でも、営業生産性の向上やセールスイネーブルメントに取り組んでいると言っても、エンジニアにはなかなか響きません。そのため、なるべくエンジニアにとって身近な比喩を採り入れて説明するようにしています。
例えば「エンジニアが日常的に行っているソースコードのシェアやコードレビューのように、チームで知見を共有する開発文化をセールスの現場に持ち込み生産性を上げようとしている」という感じですね。
福島:うちの場合だと「最近、経費精算しました? 楽しかったですか?」って聞きます(笑)。誰にとっても面倒だし、楽しくない作業なのは分かっていますから、「そんな面倒な作業がサクッと終わったらうれしくないですか? まさに『バクラク』はそんな価値を届けるサービスなんですよ」と説明すると、多くのエンジニアは興味を持ってくれます。
川中:やはり、サービスの提供価値を分かりやすく伝えるのは重要です。
ナレッジワークは、「仕事のイネーブルメント」と言われる、社員の能力向上や成果の創出をテーマとしてプロダクトを作っています。生産性が向上することで、自分の成長を感じたり、仕事を楽しめるようになることで、「働くことは楽しいものだ」と感じてもらえる社会を実現したい。
このように、生産性を高めると、どんな負が解消できるのか、具体的なイメージを持ってもらえれば、BtoCもBtoBも本質的な違いがないことが分かってもらえると思います。