G7で最下位「日本の労働生産性」がこうも低い理由 「LayerX福島良典×ナレッジワーク川中真耶」

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——クラウドサービスの利用はIT企業が先行しているイメージがあります。それ以外の業界はどんな状況ですか?

福島:IT業界は業務効率化が進んでいて、伝統産業の会社は遅れを取っている……という印象を持ちがちですが、必ずしも実態を反映しているわけではありません。

実際、私達が提供している『バクラク』も、IT系企業に限らず製造業や建築業、サービス業の企業などさまざまな業種に幅広く使っていただいています。

IT業界でも導入が進んでいない企業はありますし、伝統産業の会社でも使いこなしている企業はたくさんあるので、「クラウドサービスはIT企業しか使いこなせない」といった固定観念を捨てることが大事だと思います。

実際近年のクラウドサービスはUXがすごくよくなっていて、「IT=ややこしい、使いこなせない」みたいな状態ではなくなっています。

川中:ナレッジワークはもともと成長IT企業を中心に提供を始めたのですが、いまではメーカーや法人サービスなどの非IT企業の大手企業の利用が増えています。

面白いのは、規模や業態が近い企業がクラウドサービスを使って成果を出しているのを知ると、とたんに導入に前向きになってくれるケースが増えていることです。

横並び意識の強さは相変わらず存在していますが、クラウドサービスを取り巻く環境は少しずつよくなっていると思います。

福島:それはありますね。クラウドサービスの普及には、多くの方々に「自分たちもやれるんじゃないか」と思ってもらうことが大事。実際、導入前は抵抗感をお持ちの方でも、普段の生活ではLINEやメルカリといったITサービスを使いこなしています。

業務向けのクラウドサービスも、実は同じ感覚で使いこなせるんです。

そういった素朴な事実に気付き、いまからクラウドサービスに親しみ使いこなしている企業と、そうでない企業では差がますます広がっていくのではないでしょうか。

クラウドサービスへの意識が変わらないのはなぜ?

——少子高齢化による働き手の減少は、「人手に頼った生産性向上の限界」を意味しますよね。テクノロジーの活用はもはや待ったなしの状況にあるのは明白なのに、なぜクラウドサービスへの意識はなかなか変わらないのでしょうか?

川中:クラウドサービスの導入に際して「会社の大事な業務を新興企業のサービスに委ねていいのか」「何か問題が起こったら誰が責任取るのか」といった不安をよく耳にします。

けれど、実際は先ほど福島さんが話した通り、単に「食わず嫌い」なだけなのが大半です。まずは小さく試して効率化を実感してもらうことが、必要でしょうね。

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