「ビーンズ」とは、不登校児童・生徒への学習支援に主眼を置いた塾です。ただし、単に学校の成績を上げることが目的ではありません。ビーンズの講師たちは、最終的には自分たちがいなくても、「なんだかんだで楽しく生きていける状態」になるまで子どもたちに寄り添います。その状態になることをビーンズでは「自立」と呼びます。
「なんだかんだで毎日楽しく生きていけるだけでいいのか? 世の中にはつらく厳しいこともあることを知らないと自立なんてできないんじゃないか?」と疑問に思うひともいるでしょう。でもビーンズの答えは「いい」です。
理由は2つ。1つは、傷を癒やして前向きな姿勢を身につけていく過程で、ビーンズ(あるいは親)が用意しなくても、社会から現実を突きつけられる瞬間は必ずやってくるから。もう1つは、なんだかんだで毎日楽しく生きていける状態になりさえすれば、自らチャンスに手を伸ばすようになるから。
「スペシャルサポートルーム」は、広島県教育委員会が始めた「校内フリースクール」のようなしくみです。学校の中の空き教室を改装して利用します。保健室登校や校長室登校のような間に合わせ感はないし、かといって学校外の施設に通わなければいけない疎外感を味わうこともない。
ただし、単なる居場所ではなく、個別最適な学びの場として、子どもたちが成長できる部屋であることをコンセプトにしています。通常の教室への復帰を前提にはしていません。「生きる力」さえ育めるなら、必ずしも通常の教室を経なくていいというコンセプトです。
壁も天井もない「学校」
「フリースクール」というのは、学校教育法で認められた正式な学校ではない学校の総称です。
たとえば、星槎国際高等学校という広域通信制高校の施設を利用して星槎ジュニアスクールというフリースクールが運営されています。星槎ジュニアスクールの生徒たちは、希望すれば、高校生たちのゼミ授業に参加できます。英語が得意な小学生が、高校生の英語の授業に参加することもあるようです。いわば得意分野に特化した「飛び級」です。
また、先述の「森の教室」から発展して、2022年9月には「森のスコーレ」というフリースクールが東京都檜原村に誕生します。なんと、壁も天井もない「学校」です。森全体が教室です。時間割も、もちろんテストもありません。知る人ぞ知るカリスマ教師たちが、子どもたち1人ひとりのその子らしい学びに寄り添います。
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