不登校だった子が伸び伸び通っている学校の秘密 不登校支援約50年の実績活かした星槎中高の教育

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フツーの学校がつらかった子がフツーに通える星槎中高の教育とは?

神奈川県横浜市にあるJR十日市場駅のホームで、ブレザータイプの制服を着た高校生たちがわちゃわちゃと騒いでいました。男の子同士のグループと女の子同士のグループとでなんとなく分かれて、ジュースを飲んだり、お菓子を分け合ったりしながら、たわいもない話をして楽しそうに電車を待っています。

私立星槎中学高等学校(以下、星槎中高)の生徒たちの下校風景です。のんびり自由な校風が、学校の外にまであふれ出ています。生徒たちにはいい意味で緊張感がなく、彼らがのびのび、にこにこ、安心しているのがわかります。

不登校経験者だった彼らを何が変えたのか

彼らのほとんどが不登校経験者であったことなど、言われなければまったくわかりません。

廃校になった公立小学校の校舎を利用しており、教室、廊下、職員室にいたるまで、どこからどう見ても、いわゆる何の変哲もない一般的な学校です。

私の頭の中には「?」が浮かびます。いわゆるフツーの学校に通えなかった、あるいは通わなかった子どもたちが、一見するとフツーの学校と変わらない学校に、こんなに楽しそうに通っている。何が彼らを変えたのか、何が違うのか。

その答えを端的に表すものを、中学校の教室の黒板の横に見つけました。

3学年の全クラスの時間割が一覧になっています。それがものすごく細かくて複雑なのです。目を凝らすと、教科ごとに習熟度別クラス編成になっていたり、バリエーション豊かな選択授業になっていたりするのがわかります。1人ひとり自分の時間割に従って、クラスメイトがバラバラに、あちこち教室を移動しながら1日をすごすスタイルです。

副校長の太田啓孝さんは「私なんかはこの時間割を何度見ても覚えられません」と苦笑い。続けて「でも生徒たちに聞くと、彼らはこれを、からだで覚えてしまうそうです」と感心した表情になります。

星槎中高では、1人ひとりに「個別指導計画」が用意されます。「WISCⅣ」という心理検査を活用し、1人ひとりの認知特性も把握しながら、必要性に応じた日常的な合理的配慮に加えて、意思表示をしやすくするための「視覚支援カード」や個々に合わせた「生活目標チェックシート」などのツールを用いて学校生活をスムーズに送れるようにサポートします。

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