そんなウィリアムズさんが授業で、生徒に常に問う質問が「要するに何?」だ。マーチン・ルーサー・キングの伝記を読ませ、「この章の内容を10~12語でまとめなさい」と課題を与える。「自分が結局何を伝えたいのか」を短い言葉で簡潔にまとめること、これがスピーチだけでなく、すべてのコミュニケーションにおける要諦である、と言う。
日本の多くのスピーチに欠けているのが、「要するに何が言いたい」、「何を訴えたいのか」という「たったひとつのメッセージ」ではないだろうか。あれもこれも詰め込みすぎて、結局、何が伝えたいのかわからず、何も記憶に残らない、そんなスピーチが非常に多い。
聞き手の記憶に、自分の話のかけらでもしがみつかせよう――。どうせなら、そんな気概を持って、一世一代のスピーチを贈り物にしてはどうだろうか。
エピックスピーチを実現する3カ条
最後に、エピックスピーチを実現するための3か条をパブリックスピーキングの〝熱血金八先生″ウィリアムズさんに聞いてみた。大いに参考になりそうだ。
①サプライズを用意しよう
聞き手が忘れられないサプライズの瞬間を作ろう。大げさなもの、ドラマチックなもの、体を張ったものでなくてもいい。映像や思い出の品……。視覚に残る「何か」を届けよう。
②記憶に残る言葉をプレゼントしよう
本当に訴えたいことを、聞き手の脳を刺激する覚えやすい言葉、短くてパンチの効いたメッセージにして送ろう。聞き手が「歌いたくなるような」リズム感のある言葉を歌い上げてみよう。
③ジェットコースターに乗せてあげよう
最初からハイテンションで始めなくてもいい。山場を用意し、ドキドキハラハラのストーリーの旅に連れて行ってあげよう。アップダウンのない平坦なジェットコースターほど退屈なものはない。
※本連載は隔週火曜日に掲載します。
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