韓国の立場からすると、「日本人は、日ごろはすぐに『すみません』と言うのに、歴史に関してはなぜはっきりと謝れないのか?」と、過去に無責任だと思われがちである。
時折「謝罪」しても、核心の部分は曖昧にしたり、あとで「あの謝罪は間違っていた」みたいな発言をして、骨抜きにしたりもする(もちろんそうでない人やケースも多いので一般化はできないが、以下は全体的な政治傾向としてお読みいただきたい)。
とくに「歴史問題」においては顕著で、具体的に言えば、連立政権でリベラル政党の社会党出身の首相だったときや、自民党内部でハト派が力を持っているときは戦時の植民地支配について「謝罪」したが、その後の長期タカ派政権では、いわゆる「村山談話」も「河野談話」も形式的には維持したものの、骨抜きにするような発言がたびたび聞かれたのは、ご存じのとおりだ。
実際のところ日本人は、「個人的でささいなこと」あるいは「どう見ても自分がたいして悪くないこと」に関しては、すぐに「すみません」砲を放つ。
しかし、重要なことや帰属集団に影響が及ぶことに関しては、責任回避傾向が強いように思えてならない。
『「韓国が歴史問題にあんなにしつこい」深い理由』でも述べたように、韓国人は歴史問題に限らず、何事にもとにかく「真相究明」や「白黒つける」ことにこだわるのだが、それと比べると日本人は「水に流す」傾向が強いのだ。
「過去にさかのぼってほじくり返すのは御法度」の日本
日本では、死人に鞭打つこと、過去にさかのぼってほじくり返すことは御法度とされる。
以前、あるモデルの女性が10年以上前に芸能界の大物に「枕営業」を持ちかけられたことを告白し、そのとき同席していた人気男性芸能人のことを批判して一瞬話題を集めた。
しかし、そこでの視聴者の反応の多くは、「そんな昔のことをいまさら持ち出すな!」という「過去を持ち出すこと」への反発であった。
同じ時期に韓国では、芸能人やスポーツ選手が子ども時代の行為を元クラスメイトにSNSで暴露され、再起不能なまでに批判されていたのとは実に対照的である。
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