日本と韓国「歴史問題がどうも決着しない」深い訳 「死ねば水に流す」日本「死んでも許さない」韓国

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私がとある外資系投資銀行で新入社員だったとき、当時の小泉純一郎政権で靖国神社参拝が繰り返され、中国と韓国が盛んに批判していたのだが、同僚の日本人が私に、

「なぜ韓国人は、日本の文化に口出しをするんだ。死んだらみんな、仏様になるのが日本の文化なんだ!」

と、別に私は何も言ってないのに怒られたものである。

思えば、たしかに日本人は歴史上の人物に対して、優しい。知事だろうが首相だろうが、どれほど批判する人が多くても、亡くなったタイミングでは「あの人はすばらしい人だった」という報道であふれがちだ。

韓国では、過去の「悪行」が徹底的に批判される

これに対し、韓国で全斗煥(チョン・ドゥファン)元大統領や盧泰愚(ノ・テウ)元大統領といった軍事政権を担ったリーダーたちが亡くなったときは、「それにしてもひどい人だった」と言わんばかりに、彼らの「悪行」が改めて徹底的に批判されていたものである。

この世を去ったあとも、元ソウル市長など有力政治家の墓に嫌がらせされることがあるのも、儒教国家ならではのしつこさではなかろうか。

死後も先祖の魂は不滅であると長年考えられてきて、過去にさかのぼった道徳的責任追及にこだわるのが儒教国家・韓国だ。

これに対して日本では、仮にどれほど暴言や失政が続いた人物であっても、没後に元東京都知事や首相経験者の墓が、こんな目に遭うことはないだろう。

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