――「冷たい」などと、いろいろと誤解されましたが、実際にお会いして印象に残るのは、権力者特有の「俺の話を聞け」という感じがまったくないこと。人の話をじっくりと丁寧にお聞きになりますよね。「上からじゃない、フラットな目線」が印象的です。次世代リーダーを養成するコミュニケーションの学校を立ち上げるという話をしたときも、目をまん丸にして「がんばるねえ」とほめてくださいましたよね。じつはお優しい。
優しくはないですよ(笑)。でも本当に大変だと思いますよね。(学校を)自分で立ち上げるんですから。(上から目線というのが)好きじゃないんでしょうね、たぶん。年齢とかで、分け隔てはないですね。(逆に)偉い人には強いと思いますよ(笑)。
政策とは人の暮らし、命を守るものですから。より生活に近い視点が必要です。外交や、安保といった大上段に構えたテーマも、もちろん国を守るという点では非常に重要です。
でも、内政をなおざりにして、その議論だけに明け暮れていいわけがない。まずは人々の暮らし、生活、命を守ることが大切です。
政治家の仕事は国民一人ひとりの食い扶持を作ること。霞を食べて人は生きられない。自分もたくさん苦労してきたから、そこにはこだわってきました。
人を動かす力の秘訣は?
――演説力については批判を受けましたが、一方で、強い実行力を発揮されました。政策を実現するためには、コミュニケーション力、人を動かす力が必要ですが、その秘訣を教えてください。
私は、政治の世界ではたたき上げと言われます。高校まで秋田で育って、東京へ就職で出てきて、紆余曲折を経て、国会議員の秘書になり、38歳で市会議員に当選しました。衆議院議員は47歳ですから、年齢的には遅いほうです。みんなに助けてもらいながら、ずっと真剣勝負でやってきました。
どの政治家よりも歩き、勉強し、耳を傾けたという自負はあります。朝昼晩と、とにかく幅広くいろんな分野の人と会い、じっくりと話を聞いてきました。
偉い人というより、現場の人。社会を変えていきたいとか、いろんな人がいますから、そういう人たちと会って、エネルギーをもらったり、政策をもらったりしながら進んできました。
自分の判断が間違いないようにするために、現場を知る人に確認の意味で会っているというのも多くありました。
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