モラハラ離婚を遠ざける"擦り合わせ"の技 「身近な人ほど操縦しやすい」は思い込み

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家庭での「べき論」の擦り合わせ」をするワークは、職場でも応用を図れ、「チームビルディング」の方法として活用できます。そして、先ほどの家庭における長男のような結果を出したメンバーがいれば、「ある種の先鋭的考えを持っている」または「不満分子である」といった可能性に気づくことになります。

新設チームには「インタビューゲーム」を活用しよう 

相手のことをよく知り、また自分のことを知ってもらうための簡単なツールに、「インタビューゲーム」があります。インタビューゲームは、2人ひと組になって相互にインタビューし合い、自分との共通点を探したり、相手の意外な一面を知るためのワークです。

たとえば、「好きなスポーツは?」、「好きな映画は?」、「よく読む雑誌は?」、「出身県は?」……などをお互いに質問し合い、シェアするのです。新設チームの朝礼時に「15分間」などと時間を区切って実施すると有効でしょう。

インタビューの基本ルールに、「お互いが嬉しくなる質問をするよう努めること」、「答えたくないことにはパスができる」、「聞かれていないことにも答えてかまわない」、「相手を否定しない」などを設ければ、会話が活発化し、間合いや距離感に気をつけながら相互理解が深まり、円滑なコミュニケーションの醸成を期待できます。

簡単な遊びのようですが、相手の「べき論」を見極め、モラル・ハラスメントによる弊害の防止に寄与することでしょう。アンガーマネジメントに興味を持たれたかたは、拙著『パワハラ防止のためのアンガーマネジメント入門』(東洋経済新報社)をご高覧ください。

小林 浩志 日本アンガーマネジメント協会認定ファシリテーター

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こばやし こうじ / Kobayashi Koji

 

青山学院大学大学院法学研究科修了(法学修士)。
横浜市戸塚区で社会保険労務士・行政書士の事務所を経営する傍ら、社会人大学院でパワーハラスメントの法的・実務的対策を研究。パワハラ防止策の有効なツールとしてのアンガーマネジメントを数多くの企業、学校、病院等へ紹介している。
・特定社会保険労務士、行政書士、第一種衛生管理者
・公益財団法人21世紀職業財団認定セクハラパワハラ防止コンサルタント(客員講師)
・一般社団法人 日本アンガーマネジメント協会認定ファシリテーター
・日本スポーツ法学会会員
著書に『パワハラ防止のための アンガーマネジメント入門』(東洋経済新報社)、『現場監督のための 早わかり労働安全衛生法』(共著、東洋経済新報社)などがある。

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