「異動したことがない」34歳会社員に訪れた試練 キャリアを組織に預けず自分の力で作る発想
佐藤:はじめまして、佐藤です。本日はお時間をいただきまして、ありがとうございます。住宅メーカーに勤務する、ごく普通の会社員です。実は今、キャリアの悩みを抱えているのですが、先日西村さんから「プロティアン・キャリア」という言葉を聞きました。この「プロティアン・キャリア」とは、いったいなんなのでしょうか?
終わりを告げた「一本道キャリア」の時代
先生:はじめまして、佐藤さん。西村さんから話は聞いています。誰にも相談せずに1人で抱えていると、キャリアの悩みは深くなる一方です。これからは気兼ねなく、なんでも私に相談してください。
今、時代は大きく変化しています。終身雇用や年功序列制度の崩壊など、これまで続いてきた「安定した企業に入社すれば一生安泰」という「一本道キャリア」が可能だった時代は、すでに終わりを告げました。新型コロナウイルスの流行なども含め、予想もしなかった社会変化の中で生き残っていくためには、「変化に適応する力」が必要です。
質問のあった「プロティアン・キャリア」とは、自分の軸を持ちながら、環境や社会の変化にも適応し、自分らしいキャリアを形成していくこと。そして、「プロティアン・キャリア」を形成するときには、欠かせない要素が2つあります。
それが、「アイデンティティー」(自分の軸)と「アダプタビリティ」(変化適応力)です。まず「アイデンティティー」とは、「自分とは何者であるか」ということ。仕事の場面では、「ビジネスパーソンとしての私らしさとは何か」を意味します。自分らしい仕事に没頭できれば、心理的幸福感は高まります。
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