「異動したことがない」34歳会社員に訪れた試練 キャリアを組織に預けず自分の力で作る発想

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(2)他職種・他組織の羨望化

他部署で活躍する同僚や、違う会社で飛躍的な成長を遂げている友人、同世代で偉業を成し遂げた著名人などの話を見聞きすると、モヤモヤとした気持ちになることもあるでしょう。

そんなときには、卑屈になるのではなく「越境体験」をしてみましょう。他職種や他組織をうらやむ気持ちを原動力にして、自らのキャリアを切り開く行動へと昇華させるのです。例えば、ほかの部署の仕事に関われる社内副業や、部署横断プロジェクトへの参加など、今いる組織の中で新しい挑戦ができる機会を探ってみるのです。

また、「副業」に挑戦してみたり、ほかの企業の仕事を体験できる「社会人インターンシップ」に参加するという手もあります。

適応力を養うと同時にキャリアの停滞感も解消する

(3)昇進・昇格の硬直化

経験を積んでいくうちに、「組織の中で出世して活躍したい」という思いが芽生える人は、少なくないでしょう。しかし、誰もがそうした機会やポジションを得られるわけではありません。自分の望みとは反対に、出世のルートから外れることもあります。

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この場合にも、「キャリア・プラトー」に陥りがちです。この状態から抜け出すために必要なのは、キャリアに対する価値観の転換。昇進や昇格が働く目的になるということは、「組織に自分の仕事人生をささげている」と言っても過言ではありません。しかし本来、キャリアは組織に預けるものではなく、自分で育て、つくり上げていくものです。キャリアを組織に預けるのではなく、自分で築いていく意志と行動が必要になってきます。

ちなみに「プロティアン・キャリア」を実践すると、労働生産性を最大化したり、副業や学習を通して新しい挑戦をしたり、キャリアを組織に預けず自分の力でつくっていったりすることを、積極的に実行していくことになります。「プロティアン・キャリア」は、自分らしさや変化に適応する力を養うと同時に、キャリアの行き詰まりや停滞感も解消するのです。

田中 研之輔 法政大学キャリアデザイン学部教授/一般社団法人プロティアン・キャリア協会代表理事

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たなか けんのすけ / Kennosuke Tanaka

法政大学キャリアデザイン学部教授。UC.Berkeley元客員研究員、メルボルン大学元客員研究員、日本学術振興会特別研究員(SPD:東京大学 PD:一橋大学)。一橋大学大学院社会学研究科博士課程修了。博士(社会学)。専門はキャリア論、組織論。社外取締役・社外願問を31社歴任。個人投資家。ソフトバンクアカデミア外部一期生。専門社会調査士。プログラム開発・新規事業開発を得意とする。著書に『プロティアン』(日経BP)など。企業研修やセミナー登壇は200社を超え、受講者は10万人を超える。

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