「異動したことがない」34歳会社員に訪れた試練 キャリアを組織に預けず自分の力で作る発想

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先生:「アダプタビリティ」は、組織や環境、社会の変化に適応する力のこと。言い換えると、外部環境の変化に応じて自分自身をアップデートし、自分らしいキャリアを築こうとする意欲のことでもあります。

人生100年時代を生き抜くためには、変化に翻弄されるのではなく、変化を楽しむことが重要です。だからこそ「プロティアン・キャリア」では、自分らしいキャリアを形成していく「アイデンティティー」と、変化に適応する力である「アダプタビリティ」をともに鍛えることを重視しているのです。

佐藤:自分らしく働きながら、変化に適応していくことが大切なのですね。ただ、僕は今キャリアの壁にぶつかっていて、うまく変化に適応できていません。というのも、実は先日、突然営業から人事に異動することが決定しました。ずっと営業として出世することを目標にしてきたので、この先どうすればいいのかわかりません。キャリアの行き詰まりや停滞感を解消する方法はありますか?

先生:長くいた部署から突然異動になると、混乱しますよね。キャリア形成がうまくいかず、行き詰まりを感じている状態を、専門用語で「キャリア・プラトー」といいます。キャリアの成長が一時的に停滞すると、現状への納得感が下がり、不安を感じるようになるのです。

「キャリア・プラトー」の3つの要因

先生:この「キャリア・プラトー」に陥る要因は、大きく分けて3つ。1つ目は、業務の作業化・マンネリ化。2つ目は、他職種や他組織の羨望化。3つ目は、昇進・昇格の硬直化です。佐藤さんがキャリアに行き詰まりを感じている原因は、3つ目の「昇進・昇格の硬直化」だと思いますが、せっかくなので、それぞれ詳しく見ていきましょう。

(1) 業務の作業化・マンネリ化

仕事に慣れて同じ業務を繰り返すようになると、ふとした瞬間に「このままでいいのだろうか?」と現状に不安を抱くようになりがちです。仕事を通じて自分の成長を感じられなくなるのです。

この状態から抜け出すためには、自分の意志で「労働生産性を最大化」していく必要があります。慣れ切ってしまった業務を、どれだけ効率化して時間短縮できるか。もしくは、どのようにして同じ時間内で最大限のアウトプットをしていくか。自分で考え、1つひとつ実行していくことで、ビジネススキルに磨きをかけると同時に、業務の作業化・マンネリ化から脱却できます。

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