松本明子さんも経験「実家は結局、賃貸が難しい訳」 専門家が教える実家の売却・賃貸経営のリアル
都市の近郊の立地でも、安心はできない
松本明子(以下、松本):よく田舎の空き家は売ったり貸したりするのが難しいと聞きます。
上田真一(以下、上田):はい。ただ、その状況は何も地方の田舎だけに限った話ではなくて、実は都市の近郊でも起きています。その象徴は郊外型住宅団地のニュータウンです。
1950年代から1980年代にかけて庶民のマイホームの夢をかなえる場として大量の戸建てや集合住宅の団地が全国で開発されました。たとえば東京であれば、多摩ニュータウンなどが代表的です。
ただ、ニュータウンは丘陵地帯などに造られたケースが多いので、交通の利便性で劣りますし、坂も多いなど立地があまりよくない。そういうところに40歳前後の世代がマイホームを購入してどっと移り住んだわけです。
そういえば、松本さんのご実家も高松市の郊外のニュータウンでしたね。
松本:市街からは電車で1時間くらいかかりますかね。
ただ景観はよかったですよ、山の上なので。高松市内を一望できるし、目の前には屋島があって、その先には瀬戸内海が見えたりして。
父が土地を買って平屋の家を宮大工さんに頼んで建てたんです。1972年、私が6歳のときです。それまでは市内の借家に住んでいました。