勉強しない子には「1冊の手帳」を与えよう!

「勉強しなさい!」の連呼よりはるかに効果的

ある中学校2年生の子どもを持つ親御さんとのケースを紹介しましょう。それは入塾して初めての面談でした。私が「お子さんの家庭での勉強の様子はどうですか」と尋ねると、お母さんは、「いっさいやりません。学校の宿題もままならない状態なので塾に入れて少しでも勉強してくれればと思っています」と切実な声で答えてくれました。

以下は、実際にあった会話です。

 私:お子さんが家で勉強をやらなくなったのはいつ頃からですか。
 母親:中学校に入ってからです。小学校の頃も家では宿題以外あまり勉強しませんでしたが、学校の勉強はなんとかなっていました。
 私:中学校に入ってから、お母さんはお子さんに対して「勉強しなさい!」という言葉を家でお子さんに使っていませんか。
 母親:ええ、毎日言っているのですが、一向にやりません。
 私:実は「勉強しなさいという言葉が子どもを勉強嫌いにさせるという事実をご存じですか。
母親:でも、うちの子は言わないとやらないのです。
 私:それは言うから、やらなくなってしまうのです。親は子どもにとって教師ではないので、勉強のことを言われると、子どもは無意識のうちに反発心を持ってしまいます。たとえば、お母さんが家でご主人に「今日は肉料理にしろ」「明日はカレーを作れと言われるよりも「今日の夕飯とてもおいしかったよ」と言われたほうが、次もおいしい料理を作ろうと思われるのではないでしょうか。人間の心というものはそういうもので、やる気は強制された言葉からは出てこないのです。

私はそのとき、「『勉強しなさい!』と1回言えば、偏差値が1下がると思ってください」ということも言いました。これはひとつの例えなので、本当に1下がるというものではありませんが、逆効果になりますというメッセージとして使っていました。

勉強させるための「2つの方法」

しかし、「勉強しなさい!」という言葉を使ってはいけないとなると、今度は親御さんのほうにストレスがたまってしまいます。そのストレスが何倍にもたまって爆発してしまうと、さらに被害が拡大しますね。では、どうすればよいのでしょうか? これには2つの方法があります。

ひとつ目は、「勉強しなさい」という言葉を「やるべきことをやりなさい」と言い換えてしまうことです。

先述したように、親は子どもにとって教師ではないので、子どもは無意識のうちに親から勉強のことをあれこれ言われることを嫌っています。しかし、人としてあるべき行い(道徳や倫理観など)は親から言われても、うるさいと思いながらも無意識に受け入れてしまうものなのです。ですから、「やるべきことをやる」という言葉には、道徳的観念があるので、子どもは反発できません。

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