しかしそうは言っても、子どもは勉強するようにはなったが、積極的に勉強するようになるとはかぎらず、「やるべきことをやりなさい」と言われたから仕方なしにやり続けるというのも困ります。そこで、子どもの心が前向きに勉強に向かわなければ、2つ目の方法を使います。
それは、「子ども手帳」を使うことです。
手帳といっても独自の子ども手帳が存在するのではなく、市販のお気に入り手帳を使います。そこにやるべきこと(勉強やお手伝い、宿題など)を書き込み、やり終えたら赤ペンで消すというだけのことです。
一般に、子ども(幼稚園~高校生)は手帳を持ちません。それは手帳を持つだけの予定がなく、時間割は家庭か学校に決められているからです。しかも日々の行動のパターンがある程度決まっており、ビジネスマンのようにルーチンワーク以外の予定が入ることはありません。
しかし、子どもの行動をつぶさに観察してみると、やるべきことが決まっているにもかかわらず、それをしっかりこなしている子どもは珍しいものです。多くの場合、母親に「勉強しなさい!」「宿題やったの!」と半ばしかられて、ようやく行動を起こします。
なぜこのようなことが起こってしまうのでしょうか?それは「勉強」という一見、面倒くさく、魅力的でもない“作業”に心が向かわないためなのです。
やるたびに「ポイント」がもらえると、さらに効果的
そこで心を勉強に向かわせるために「子ども手帳」が登場します。子どもに手帳を持たせることは早いと思われるかもしれませんが、実際に「子どもたちに手帳を持たせて、そこにやるべきことを書かせ、終わったら消す」という簡単な作業をさせるだけで、従来の勉強しない状態から“やる状態”へと、180度転換するようになるから不思議です(詳細は、近日書籍化の予定です)。
さらに「モチベーション」を引き出すために、「ポイント化」します。つまり、ひとつの行動(タスク)が終わったら、それが1ポイントに換算されて累積して貯まっていくようにするのです。
世間では、いい点数を取ったら、ご褒美としてお小遣いをあげたり、何か買ってあげたりするご家庭もありますね。身近な人に聞いても、この仕組みを使って動機づけを高めようとする親御さんは多いようです。これは達成したらプレゼントをあげるという「結果」に着目したモチベーションアップの方法ですが、私が着目した点はこれとは異なります。
ポイントは原則的に、行動(やるべきこと)がひとつ終われば、その都度入ってくるのです。つまり、「プロセス」に着目をしているのです。
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