米紙「安倍氏は戦後日本で最も変革的な政治家」 政治的地殻変動なくても影響力は永久的に続く

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「シンゾー」「ドナルド」と呼び合った安倍元首相とトランプ元大統領だが、安倍氏はトランプ氏に対して諦めていたこともあったという(写真:Mario Tama/Getty Images)

安倍晋三元首相は、歴代最長の首相在任期間中に、憲法を改正して日本をいわゆる「普通の国」、すなわち他の国と同様に国益のために軍隊を使用できる国に変えるという目標を達成することはできなかった。

また、日本の技術力と経済力を1980年代後半から1990年代初頭のおそるべき水準にまで回復させることもできなかった。当時の日本は、今の中国のように、世界2位の経済大国であり、その組織力と狡猾さと中央集権的な計画力で間もなく1位になるだろうと思われていた。

同盟国に接近し、防衛費を増やした

それでも、安倍氏が奈良市で暗殺された7月8日の事件が思い出させたのは、同首相が、たとえ日本の政治家が自らのサバイバルに関わるとみなしている癪(しゃく)にさわるほど当たりさわりのない言葉で語るとしても、第二次世界大戦後の日本の歴史上おそらく最も変革的な政治家だったということだ。

安倍元首相は、ロシアや中国との長年にわたる論争の解決に失敗した後、アメリカや太平洋地域の同盟国の大半(古いわだかまりがある韓国を除く)に接近した。

安倍氏は、日本初の国家安全保障会議を創設し、改正できない憲法上の制限を(ほとんど恣意的に)再解釈し、初めて日本が同盟国の「集団的自衛権」に参加できるようにした。同氏は、大半の日本の政治家が賢明だと考える水準以上に防衛費を増やした。

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