米紙「安倍氏は戦後日本で最も変革的な政治家」 政治的地殻変動なくても影響力は永久的に続く

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トランプ氏が日本の対米貿易黒字を理由に日本からアメリカ軍を撤退させると脅したときも、座して耐え忍んだ。安倍氏は、まるで嵐が過ぎ去るのを待つかのように、その間、温和な笑みを浮かべていた。

安倍氏は、TPP(環太平洋パートナーシップ協定)に自らの政治生命を賭けていた。トランプ政権の下でアメリカが離脱した後も、安倍氏はTPPの発展に貢献し続け、アメリカ政府の存在が協定から欠けている事実をほとんど無視した。日本は2017年に批准したが、アメリカは一度もしていない。

「われわれには選択の余地がない」

安倍氏は、気まぐれなアメリカ大統領に対処することは、他の技術大国から遅れを取っていた日本のリーダーとしては避けられない仕事の1つとみていたのだろう。日本の防衛予算に対して何千億円もの増額を行った割には、依然としてアメリカ軍への依存度が高いことを理解していたのである。

2017年、安倍氏は首相官邸の事務所に立ち寄った記者に、「われわれには選択の余地がない」と語り、トランプ氏については、日本からのアメリカ軍撤退を事あるごとにちらつかせており、在日アメリカ軍駐留のそもそもの理由について議論するつもりすらほとんどないことを明かした。

安倍氏は、サミュエルズ氏の言葉を借りれば、「日本とアメリカはともに相対的な衰退が進んでいる」ため、お互いの人材と資源を組み合わせなければならないことを認識しているようだった。

「この関係が機能することは必要不可欠だ」。安倍首相は記者に対してこう締めくくった。

(執筆:The Times東京特派員David E. Sangerk記者)

(C)2022 The New York Times 

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