東京の「太陽光義務化」がこうも話題になった理由 住宅政策の中では異例となった関心の高さ

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東京都の条例案についてはなぜ、こんなに議論が盛り上がりを見せていたのか。本稿は、そのことを検証することで住まいの省エネのあり方、本質的なものが明確になるのではないか、と考え記すものだ。

そこで、まず、東京都の条例案の内容について改めて確認する。対象は、新築戸建てを含む中小規模の建物。購入者個人ではなく総延べ床面積で年間2万㎡以上を供給する大手ハウスメーカーなどに設置を義務づける。規模の小さな工務店やビルダーは対象とはされていない。最短で2024年度中に施行したい考えのようだ。

ある一定規模の建築物に太陽光発電などの再生可能エネルギーを活用する設備の設置を義務づけるという動きは、これまでに京都府や群馬県に見られる。新築戸建て住宅を対象とする条例が施行されれば全国初となる。

なお、海外ではアメリカのカリフォルニア州で2020年に設置が義務化。ドイツでは複数の州で義務化が計画・検討中で、太陽光発電設置義務化の動きは少しずつだが世界的な潮流になりつつある。

このように条例案について確認してみると、東京都は勇気を持って義務化に踏み込もうとしているとも評価できそうだ。さて、実はこの条例案にはその前提となる住宅政策あることをご存じだろうか。少し時間がさかのぼる。

東京都が推進する住宅政策とは

東京都は2019年5月、「東京メイヤーズ・サミット」で2050年に温暖化ガス実質ゼロに貢献する「ゼロエミッション東京」を実現することを宣言。この中で、2030年までに排出量を50%削減(2000年比)するという国際公約「カーボンハーフ」を表明している。

そして、その実現の一環として同年度から家庭部門での排出量削減を目指す「東京ゼロエミ住宅」という住宅政策を展開している。これは、断熱性能や設備の省エネ性能などについて独自の基準を定めたもののことである。

認証を受けると助成金が支給されるほか、不動産取得税が減免される。念のためだが、東京ゼロエミ住宅の基準はあくまで目標であり、義務化されているものではないことを明記しておく。

東京ゼロエミ住宅は、国が普及を推進しているZEH(ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス)より、建物自体の省エネ性能について厳しい基準設定が行われているが、太陽光発電の設置は前提としていない。

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