そうやって、悩みの裏返しである前向きな意志まで引き出せれば、言うことなしの大正解。当然、それには時間がかかります。「サクッとクレバーに課題解決」は、「下」との悩み相談においては禁物中の禁物と心得ましょう。
とにかく話が長い!
× 話が長い
〇 話が短い
「じゃあ、最後にひと言だけ。まずは……ってところかな。あ、あと……だと思います、はい。……あ、そうそう、これは言っていいのかどうかわからないけど……じゃあなんでこうなったかって話で……」
「総括としてはそうだなあ、要するにさ……。結局のところ……だと思うんだよ。でね、そもそもの話……なわけよ。あ、それで言うと……ってこともあるか……」
部下・後輩・年下からひと言求められたり、まとまった話をしたりするとき、とにかく話が長い人がいます。
せっかくの機会だからあれも言いたい、これも言いたい。あんまり短いと格好がつかないし。「上」の立場にふさわしい意義のあることを言おう、「下」に感銘を与えよう……。ですが、これは不正解です。
部下・後輩・年下は、そもそもそれほどまじめに上司・先輩・年上の話を聞いてくれません。悲しいことですが、それが現実です。
小学校のとき、朝礼で聞く校長先生の話、長く感じましたよね。今から考えれば、それなりにいい話をしてくれていたはずです。ですが、児童たちの耳にはまったく届かない。「早く終わらないかな」しか考えられない。オトナになっても、その感覚は変わりません。
「上」の人が言ってくることはたいてい、めんどうなこと、うるさいこと。相手がそう思っている以上、長々と話すのは得策ではありません。
部下・後輩・年下の前で話すときには、なるべく短く話すのが正解です。
「じゃあ、ひと言だけ……◎◎の点がすばらしかったです。おつかれさまでした」
「今回のキーワードは●●です。詳しく聞きたい人はあとで個別で話しましょう」
こうすることで、関心のない人は「早く終えてくれた」と好感を持ち、関心のある人は「続きが聞きたい」とさらに興味を持つでしょう。
そもそも「めったにない機会」だから、つい「あれもこれも」と詰め込んでしまうわけです。「印象づけたい」と思うなら、「長さ」よりも「頻度」で勝負するのがいいでしょう。
大きな会議だけでなく小さな打ち合わせにも頻繁に参加して、こまめにコメントする。個別できちんと雑談し、メールやLINEにも快く対応する。
もちろん、それには手間がかかります。なるべくなら、どんと一気にすませたい……。
ですが、そういう一手間を惜しまない姿勢こそが、相手を「下」と軽んじていないメッセージとして伝わるのです。
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